1400年から250年以上かけて起こった英語の発音変化である。グーテンベルクの活版印刷技術と重なって、綴りと発音との間に乖離が生じてしまった。原因は、黒死病で庶民の発音が優勢になったからとだか、口を大きく開けて発音しなくなったからだとか言われている。
name ナァーメ→ネェィム、
time ティーメ→タァィム、
home ホォーメ→ホォゥム、
now ヌゥー→ナァゥなど、
古英語は、現代英語とは全く異なる言葉だったようだ。しかし、面白いのは、aː(アー)はエイ、eː(エー)はイー、iː(イー)はアイ、oː(オー)はオウと、推移がA(エイ)E(イー)I(アイ)O(オウ)の読みに一致していることだ。
さて、日本語でも口を大きく開けない「省エネ発声」が流行すれば、この推移は起こるのだろうか。もしもを考えてみた。
「母さん→けいさん、兄さん→ないさん」しっくりこない。「父さん→とうさん」もう起こっている?「姉さん→兄さん」これは、大変だ。
日本中が瞬時に繋がるネット情報社会。姉さんが兄さんになることはないが、言葉は生き物。誰かが勘違いやふざけて言い始めたことが受け入れられて、数年で一般的となる「ネット推移」が起こる可能性は、逆に高くなった。「全然~ない」が、10年程で「全然~」の肯定型も認知されるようになったように…
よし、それなら是非とも推移させたい言葉がある。
ブラック→ホワイト
他人は空気→公共道徳
自国ファースト→世界協調
権力忖度→公平公正 など
しかし、これらは「発声」や「ネット」ではない根本的治療が必要そうだ。
(2020年1月5日@nortan)