190、私でない

「私」のほとんどは私でない。体内外に共生する細菌群集が、細胞数で100兆個・体細胞の10倍。質量では1400gで、脳や肝臓に匹敵する。また、腸内細菌は個体間で90%程が異なっていて、健康問題にも影響しているという。DNA検査法の進歩で、科学的に実証されてきているというから驚きだ。

これらの新知見に合わせるように、体脂肪や血圧を下げる○○ヨーグルトなどの機能性食品も人気だ。いわゆる、腸活だ。腸内の細菌は、伝達物質を出して私たちの脳とコミュニケートしている。つまり、行動や性格にも影響を与えているというから、さらに驚く。

昨夜、テレビを点けたら「宇宙人が巨大なキュービックに乗って地球にやって来て、新しい人類を創った。宇宙人は神である。」なんて力強く語っていた。そしたら、ふと「細菌が巨大なキュービックに乗って人間にやって来て、新しい人類を創った。細菌は神である。」なんて思えてきた。

私たち人間は主体ではなく、遠い宇宙からやってきた細菌たちの巨大な「乗り物」で、そのことに気づかないように操作されてきたのかもしれない。

灯台もと暗し。宇宙人はミクロな世界や自分の中に存在しているのかもしれない。

さて、年末の帰省で少しさみしくなったファミレスのモーニング。ミクロの宇宙人たちが、私の体内に乗船してきた。早く腸に辿りつけるよう、野菜ジュースで流し込んでやった。

(2019年12月29日@nortan)

176、自発的対称性の破れ

2008年ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎先生の理論。

宇宙は、電子場やクォーク場などのいくつかの『場』から成り立っている。そして、それぞれ波の性質をもっている。波ゆえに、波のない状態は均衡状態でエネルギーゼロだが、実はそれよりも低エネルギーの安定状態が存在している。そして、芯を下に垂直に立てた鉛筆が必ず倒れるように、自発的に非対称な性質に落ち着く。つまり「正と負が打ち消しあってゼロになるのではなく、偶発的にどちらかに傾き、素粒子(世界)の性質や質量を決めている」と理解した。

確かに、右利きと左利きの人数は同数でなく非対称だ。また、コインの表裏も、両面が同じ刻印のレアコインが存在するなど僅かに非対称だ。他にも、男女の出生数、昼夜の時間など、現実世界の二項は必ずどちらかに傾いている。

それでは、正義と悪の対立はどうだろうか。「正義は必ず勝つ」なんて言うことがあるが、それも偶発的に決まるのだとしたら、先のセリフは「勝った方が正義なのだ」に換言しなければならない。ああ、『人間の場』だけは、物理法則の適用外であってほしい。

(2019年10月14日@nortan 「負けるが勝ち」の意味を考えながら)

173、オワコン

椀子蕎麦で「お椀、こんで終わり」ではない。2010年頃に、一時流行したが今や誰も見向きしなくなった「終わったコンテンツ」をそう言い始めたらしいが、オワコンという言葉自体、今や10年足らずでオワコンだそうだ。

遅れ馳せながらこの言葉を知った時、フェルミのパラドックスを考えていた。フェルミは「だから、宇宙人は私たち人類だけかもしれない。」と論じたが、私は「地球は、宇宙文明の中でオワコン?!」がしっくりきた。有史以来、同種で競いを好む知的らしき生物に愛想を尽かしたか、あんな所に行くなんて…と飽き飽きしたのだろう。一方、環境を破壊し、自ら絶滅に突き進むことを心配して環境保護惑星に指定されているという「動物園説」もあるらしいが…

さて最近、新研究が発表された。「恒星間距離が飛行に効率的になるまで、1000万年単位で待っている。つまり、今の期間は間氷期ならぬ、その「間宇宙人渡来期」だという。それなら、あと500万年前後で近隣恒星系惑星からのファースト・コンタクトがあるのだろうか?

その時の地球主が人類であることを期待するが、数年前からの自国ファーストの強まりに、あと10年足らずで人類がオワコンになってしまわないか心配だ。

ちょうど、スマホでBluetooth接続した車オーディオから「Dragon Night」(SEKAI NO OWARI)が流れてきた。最近、家族や自分に関係するナンバーの車の後ろになることが多いのも、何かの啓示かもしれない。世界平和のオワりがコンように…

(2019年9月29日@nortan)

170、科学相談

夏のラジオから流れてくる、35年も続く放送。「動物も夢をみるのですか?」「植物にも心はあるのですか?」など。その答えを、各分野の専門家が、やさしい言葉で一生懸命に説明しても、子どもたちには難しいこともある。「分かった?」の後の「うん?!」は、YesにならないNo。これからも、子どもたちの科学への不思議は尽きない。

さて、地球から聴こえてくる祈り。「地球温暖化を私たちは解決できるのでしょうか。」「人類は、宇宙へ文明を拡大できるのでしょうか。」など。その答えを、宇宙の神々が、理解できる現象で伝えようとしても、人類にとっては難しいこともある。25日、ニアミスだったと胸を撫で下ろした小惑星の大接近(月・地球間の5分の1)。大きさは、6600万年前に比べて約100分の1だが、発見されたのは最接近の前日。私たちが知ったのは29日。緊急ニュースとして発表されることもなく、ひとつの都市が消滅することもなかった。そして、神々からのメッセージであるかもしれないこの地球近傍小惑星につけられた名前は「2019 OK」。ちっともOK(Yes/うん)でない。だだ、「うん」だけに「運」はあった。今後も、私たちの宇宙への不安は尽きない。

(2019年7月30日@nortan 2020はOKでないかもしれない)

164、ド・モルガンの法則

「青森産りんごでない。」は、「青森産でない。または、りんごでない。」と同じことである。つまり、北海道産りんごや青森産ぶどうのことだ。

「全てのりんごは赤い。」の否定は、「あるりんごは赤くない。」である。つまり、世界中のりんごの色を調べなくとも、たった一つの赤くないりんごを見つけ出せば、「全てのりんごは赤い。」という真実?を否定することができる。

もう昔になってしまったが、若者に「○○なくなくない。」という言い方が流行した。否定の否定は肯定だから、これは結局「○○ない。」という単純否定に落ち着く。しかし、先の2つは少しばかり複雑だ。これはド・モルガンの法則で、

not(A and B) = (not A) or (not B)

not(A or B) = (not A) and (not B)

not (All is B) = One isn’t B

not (One is B) = All isn’t B

と4つの式で表すことができる。

さて、最後の式をある言葉に直してみた。「一羽の青い鳥がいる。」の否定は、「世界中の全ての鳥は、青い鳥ではない。」となる。先のりんごの話とは違い、青い鳥の存在を否定するには、世界中の鳥を虱潰しに調べきらなくてはならないことになる。それは不可能であるから、私たちは「どこかにいるはず」と希望をもつ。

そうか!ド・モルガンの法則は『幸せの青い鳥(希望の法則)』でもあったのだ。数学の神様が私たちに希望を忘れさせまいとしてくれているのだ。ないない尽くしを考えていたら、宇宙が無限である謎も解けたようだ。

(2019年7月17日@nortan そういえば、Apple社のりんごは赤くなかった。)

150、オポチュニティ

My battery is low and it’s getting dark.

2019年2月14日。遠く離れた惑星から届いた最期のメッセージ。

人類移住の希望を背負い、2004年から赤い大地を42.195km以上走破したマラソンランナー。

離れた砂地トロイでは、身動きがとれなくなって休止した相棒スピリットが眠っている。

90日で任務を終えると予想されていたのに、10年近くも稼働することができたのは、太陽光電池の上に積もった砂を吹き荒ぶ風が払い続けてくれたから。

それほど火星の大地は厳しい環境だ。

いつか近い未来、私たちの作り出したAIロボットが、赤い大地に根づくように遺伝子加工した植物や動物、微生物や新人類など、生命の種を持って移住し、緑の大地に変えるのだろう。

さて…

大昔、地球も赤い大地だったのかもしれない。地中には金星からやってきたオポチュニティたちが眠っているのだろうか。(2019年3月22日@nortan 任務お疲れ様)

146、じっくり

神の存在を脅かす者を許さない女神がネメシス。その名前をつけられた未知の天体が存在するらしい。きっかけは、肉眼で見える恒星の半数以上に双子星があり、太陽にもその可能性があると考えられたことによる。仮説によると、太陽質量1/10の双子星(伴星)は、2600万年周期で太陽に近づき、太陽系外縁を球殻状に取り巻いている小天体(オールトの雲)の軌道を乱し、太陽に向かって小天体を落下させる。そのため、地球では恐竜を絶滅させたようなディープインパクトが同周期で起こったのだそうだ。また、別の仮説によると、ネメシスは伴星ではなく発見されていない第九の惑星で、同様にオールトの雲を乱している可能性もあるという。

さて、伴星であろうが、惑星Xであろうが、ネメシスは未だ発見されていない。だからといって「思い過ごしでしょ。」とはならない。データ的裏づけもあり、今の人類にネメシスを見つける技術力がないだけなのだ。

現在、ネメシスは最遠にあることも分かっている。次の最接近は1300万年後。人類にはじっくり考える時間はある。(それまでに、別の神々を脅やかすことがなければの話であるが。)ちなみに、お釈迦様の次仏となり私たちを救済して下さる弥勒菩薩も、兜卒天(天界)であと56億7000年かけてじっくり修業中である。と言うことは、1300万後の人類の救済は諦めたのだろうか?心配になってきたので、小さな頭でじっくり考えてみようと思う。(2019年2月11日@nortan)

118、次世代の技術

太陽中心部の核融合で生まれた光が、太陽表面に到達するのに100万年。そして、地球に届くまで8分。私たちの世界を照らす太陽光は、100万年と8分前に太陽の中心で誕生した光子である。さらに、満月の反射光は地球到達に3秒ほどかかる。100万年と8分と3秒前の過去に誕生した光を夜空に見て、芭蕉は「名月や池をめぐりて夜もすがら」と詠み、蕪村は「菜の花や月は東に日は西に」と詠んだ。歌人たちは、日光と月光に『遠い過去』を感じていたのだろうか。

核融合技術のひとつでは、原子核を秒速100km以上で衝突させる。その時、光も誕生し、超高温状態となる。この熱エネルギーを利用して発電するのが、次世代原子力発電だ。現在の核分裂による発電とは違い、放射性核廃棄物は出ないクリーンな発電だという。(昔、どこかで聞いたキャッチフレーズだ。)しかし、水素の同位体であるトリチウム(自然にも存在し、半減期が短い)が多く生成され、自然水を汚染するという緩やかな心配や、レーザー核融合技術では突然できたブラックホールが地球を飲みこんでしまうという過激な心配もある。それでも、人類は22世紀にこの技術を実用化するだろう。太陽中心部でしか起こりえない、100万年と8分と3秒の技術を手に入れるのだ。

さて、「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」という本に、51番目の理由を発見したら教えてほしいと書かれていたと思う。そこで、「不十分な核技術を手に入れた文明は、自滅している。」という仮説はどうだろうか。万が一、自減せずに宇宙文明へと進歩した知的生命がいたとしても、地球にコンタクトをとらないのは、それを予見しているからかもしれない。クリーンなエネルギーを求めて、人類がクリーンされてしまっては元も子もない。歌人たちは、日光と月光に『儚い未来』を感じていたのかもしれない。(2018年11月3日@nortan)

116、ラングとエッジ

銀河危険情報で渡航禁止を知った上で、言語研究のために安全レベルD級惑星に旅立ったラング。この原始星の言語と文化を学べば、銀河中の文明に平和をもたらせると確信していた。宇宙船を洞窟に隠した後、この惑星の住民に見事に変装した。空腹に耐えられずにレストランにとびこんだ。その時、食事の様子が奇妙だったこと、口を開かずに喋ること、チップとして渡した硬貨が惑星にはない物質だったことで異星人と見ぬかれ、惑星安全局にとらえられた。毎日のように繰り返される尋問。おかげで、ラングは目的であるこの星の言語を深く理解することができた。帰れる希望はゼロに近づくばかりだったが、覚悟はできていた。遠く離れた故郷で同僚のエッジは、ラングの救出を申し出たが、世論からは「D級惑星に行くなんて、自己責任だ。」という批判も浴びた。連邦政府も表向きには沈黙を守ったが、政府内では「どんな理由であっても、必ず同胞を救出する。宇宙連邦は、たった一人をも見捨てない。」と密かに救出計画が練られた。解放されたラングは、30年後洞窟の宇宙船で帰路についた。途中のアンドロメダ第39惑星で同僚と再会を果たしたラングは、エッジを「I missed you!」と抱き寄せた。すると、エッジは「これが、あの惑星の言葉と文化なのかい?」と驚きながらも「約束してほしい。連邦政府が動いたことは秘密だぞ。」とラングの脳にテレパシーを送った。「コミュニケーションに音声を使っているなんて、遅れた文明だ。伝えたいことの半分も伝わらないじゃないか。」そう言うエッジに、ラングは「そうでもないさ。白黒つけないで『曖昧模糊』としておく方がよい事もあるよ。僕は、テレパシーでは伝えられない救出のお礼の代わりに、必ず研究を完成させる覚悟だ。」とテレパシーで答えた。無事に戻ったラングに世論は様々な反応を示したが、ラングはエッジと共に研究を続けて、ついに「平和のための音声コミュニケーション理論と技術」を完成させた。それから間もなく、地球の電波望遠鏡SETIでは宇宙連邦からのメッセージを受信した。(2018年10月27日@nortan「民は、国である」を哲学して)

111、エンタングルメント2

観測することで状態が決まる量子力学の「確率宇宙」か、最初から状態が決まっていたというアインシュタインの「絶対宇宙」か、神はサイコロを振りアインシュタインの敗北は実験により証明されている。既に量子力学は私たちの生活に欠かせない技術でもある。己羅夢80で空想したように、死のエンタングルメントが生であるなら「転生」を信じたい。しかし、今回の空想は少しばかり違う。

昨日の労働の疲れがとれず落ちた昼寝夢に、父が現れた。見慣れぬ青いスーツを着たいい気分の酔っ払い。ソファーに横たわり眠りこんでいる。帰宅した私は妻と顔を見合わせ、記憶にある現実との差異を探しつつも冷静に世界の変化を受け入れている。「これが、確率宇宙かあ。」そう納得した時に、目が覚めた。いや、「振られたサイコロが止まり、目が決まった。」と思えた。

生まれた時に天国に行けるか地獄に行くか決まっていると説く宗教がある。また、善行と悪行の差でどちらに行くか決まると説く宗教もある。量子力学の肯定は、多元宇宙の存在を想像し、絶対である神に確率であるサイコロを振らせる。では、私のサイコロはいつ振られるのか。先程のように、夢から覚める毎に振られているのだろうか。いや違う。醒めた瞬間、「人生の最期に振られるに違いない。」そんな感覚におそわれた。天国と地獄が実在するのなら、どちらに行くか決めるのは「最期のサイコロ」だと思えた。今生きているのは、確率の多元世界のひとつだ。

先日、ある試験に挑んできた。そこでは、私より35も年長の老紳士が虫眼鏡を手に英和辞典と格闘する姿もあった。「若い人には敵わんけども、…」と謙遜される姿に、ますます「自分もそう年を重ねたい。」と感じた。「次は、二次面接でお会いしましょう。」と返答したものの、10名程しか合格できない狭き門。自身も次はないと悟っている。

故人が夢に現れるのは、何かのメッセージだと言われる。先程の夢で、父は「まだ、決まった訳ではない。諦めるよりは、希望を持て。全てを決めるのは人生最期のサイコロだ。」と伝えに来たのかもしれない。(2018年10月14日@nortan旅立ちの数日前、久しぶりの笑顔を見せてくれた父は、その瞬間に最期のサイコロを振っていたのかもしれない。)

109、目印

全天の88星座。1922年、国際天文学連合の設立総会で決められた。その中のひとつ、オリオン座は古代ギリシャ神話に登場する。星座となったのは、アポローン(太陽神)の挑発で恋人アルテミス(月神)に射られたからだとか、さそりに刺されたからだとかさまざまな説がある。秋から冬の夜空に輝くオリオン座。中心の三連星の配置が各地の古代遺跡と一致しているという。ピラミッド・ナスカの地上絵・ストーンへンジなど。地球に文明をもたらした宇宙人が再び地球を訪れるための目印を造ったと説明する研究者もいる。私たちには想像できない高度な技術で宇宙を渡ってきて、地表に砂山をつくって還り、数千光年先からそれを目印にすることはできるのか?そう考えると、目印ではなく旅行者の記念落書きだと思う。いや、高度なナビゲーションシステムで地球までやってきてからの目印なのだろうか。それなら、目印はいらない。

さて、オリオン座にあるM78星雲から光速で1600年かけて日本にやってきたのは、我らがウルトラマン。彼は宇宙船は使わず、生身で飛ぶ。目視するしかないから、おそらく富士山や琵琶湖あたりを目印に往復していると考えられる。設定の300万光年を採用すると、往復600万年かかる。600万年前に人類は誕生していなかったから、「ぼくらのために」来てくれたのではないかもしれない。ウルトラマンの話はフィクションだが、地表の造形物を目印にするのなら、宇宙人は案外身近な惑星にオリオン(おるよん)だろう。と、寒い駄洒落。未知の恐怖に対して、誰かが地球を守ってくれていると信じたいのが本能。この夏は、巨大台風など「かつてない目印」を発信しているのに…と考えると、人類は見捨てられたか。やはり、自滅することなく高度な文明にまで発展し、遥か彼方の地球を救おうという、お人好しの宇宙人はいない。「○○、ファースト!」なんて言わず、一致団結して人類の叡知で乗り越えるしかない。(2018年8月18日@nortan腕にある3連ボクロも何かの目印か?)

83、フェルミ・パラドックス

ドレイクの公式によると、銀河系に私たちと交信しようとする文明惑星は10の6乗、つまり100万はあると推定される。また、ニコライ・カルダシェフによると、それらはK1文明(惑星エネルギーを利用・地球)K2文明(恒星エネルギーを利用)K3文明(銀河全体エネルギーを利用できる)の3タイプに分類できるとする。フエルミは、K3文明なら数百万年で銀河系を植民地にできているはずで、地球にも訪れているにちがいないのに、全く証拠がない。それは、銀河には私たち以外に生命は存在しないからだと結論づけざるをえないとした。そこで、このパラドックスに対抗して様々な説明が生まれた訳だ。既に地球に来ている、地球は保護区に指定されている、人類が文明一番のりである、地球が特別な存在であるなどあらゆる説明が試みられた。これらはどれも興味深く、この中に真実があるかが気になるところであるが、宇宙人が目の前に現れない限り決着もつかない。それとも、私たちから出会いにでかけるか?いや、どちらにしても、21世紀中には解決しそうにないから一昨日(おととい)の宿題にでもしようと思う。ちなみに、ホーキング博士はフェルミ派で「銀河に唯一の文明である可能性が高いからこそ、…」と訴えていたと記憶に残る。(2018年5月6日@nortan極楽浄土を想いながら)

82、神の思惑

神が与えた課題。地球の先住民であった恐竜たちがそれを解けたか、解けなかったか。化石は絶滅の事実しか語らない。プレートテクトニクスで地殻も2億年でマグマとなって溶けてしまうというから、私たちの知りえる過去も、海洋の地殻から引き剥がされて隆起した一部の情報のみである。ひょっとしたら、課題を解決して痕跡を残さず宇宙に進出した存在があったかもしれない。私たちは、思うほど地球の過去を知らない。

神が与えた課題。他の文明人がそれを解けたか、解けなかったか。歴史は記録にある事実しか残さない。滅亡した(させられた)文明は、遺跡しか残さない。ジャングルの中に、私たちの知らない文明が存在したかもしれない。ひょっとしたら、滅びずに課題を解決して宇宙に進出した文明があったかもしれない。私たちは、思うほど過去の文明を知らない。

神の課題は、ホーキング博士の言うように「滅亡を逃れるために、宇宙に進出すること」だろう。私たちは、46億年、この地球でそれを解決した者はなく、私たち人類がそれを実現させられると信じている。しかし、神の課題は過去に解決済みなのかもしれない。現人類は思うほど神に期待されていないのかもしれない。そう考えれば、対立や戦争の歴史にも説明がつく。まずは、期待されうる文明人にならなければならぬ。私たちは、思うほど神の思惑を知らない。(2018年5日6日@nortan米朝首脳会談に平和を願って)

80、エンタングルメント

もつれ合った2つの量子(エンタングルメント)を別々の場所に置く。そして、片一方を観測すると、もう片一方の状態も決まるという。例えば、こちらの量子がプラスになれば、もう一方はマイナスというように…たとえ何億光年離れていても、観測した一方の情報は、もう一方に影響するらしい。アインシュタインは、左右の手袋に例えて「片方が右手なら、もう一方は最初から左手に決まっていた。神はサイコロを振らない!」と対抗したようたが、観測実験では、サイコロに軍配が上がったようだ。この量子理論を使うと、テレポーテーションも可能になる。絡み合った量子をそれぞれ満たしたボックスを遠く離れたA・B地点に置く。A地点のボックスに入った私の情報を読み取り、B地点に送る。その後、A地点の私を消滅させれば、B地点で私が合成される仕組みだそうだ。ミクロの量子レベルでは、実験が成功しているというから、やはり神はサイコロを振るのだ。もし、私たちの地球とエンタングルメントな別の地球が夜空にあるのなら、地球で観測したことと対称な出来事が、そこでは起こっているにちがいない。幾つかの病気と闘いながら、文句も言わず、二日に一度の透析にも耐え、孫が結婚するまでは永生きしたいと言っていた父が逝った。「死」の対称が「生」だとすれば、別の地球では別の父が病から回復したか誕生したにちがいない。いずれにしても、今日、父は星に逝った。(2018年3月9日@nortan父の介護に献身してくれた妻に感謝)

69、メッセージ

楕円形の宇宙船が言語圏ごとに現れた。ただ静かに浮かんでいるだけ。各国の言語学者が謎の言語を解読し、コミュニケーションを試みる。…そして、雲のように消えてしまった。始まりと終わりだけを語ると静かな映画だ。派手な戦闘シーンがあるわけでもない。娯楽映画で癒されたい時は、視聴を薦められない。例えるなら、SF映画の型を借りた哲学書であり、見る者に問いかけてくる。まず、「言葉の壁がなくなれば、人類はひとつ(平和)になれるか?」「言葉の構造が変われば、思考も進化するか?」という問い。次に、「未来の出来事が見えても、今を懸命に生きることができるか?」という問いである。結局、宇宙船の住人は「300年後に、人類の力が必要になる。」とメッセージを残して消えてしまう。「私のメッセージヘの答えは?」と何度も繰り返される余韻が、心地よい。(2017年11月27日@nortan)

63、想像力

人の数だけ想像力はある。2025年の予測世界人口は100億。想像力の「数」は大台を越える。しかし、一つひとつの大きさが小さければ、果てしなく広がる草原に等しい。その中から空に向かった「大木」を育てなければならない。広がりと同時に高さも必要だ。地球のリセットボタン周期は、約1億年のようだ。前回はユカタン半島に隕石が衝突した。太陽系外縁部を覆う隕石群から定期的に隕石が降り注いでいて、地球大接近する周期が約2000万年、衝突する確率が1/5、つまり約1億年なのだと想像する。(己羅夢12:地質年代)現在はロスタイム、いつリセットされても不思議ではない?と想像しながら、最近のリセット発言を想う。リセットと言えば「生命はひとつ。ゲームのようにリセットできないから大切にしょう。」や「やる気はリセットできる。さあ、頑張ろう!」と使うことができるだろう。何がリセットできて何ができないのかは、単純ではなく哲学的かつ宗教的でもある。生まれ変わりを信じれば生命(魂)はリセットされるかもしれないし、やる気の減退を脳内化学反応の老化(変化)だと証明されてしまえばそう簡単にはリセットできない。先日「日本をリセット!」と書かれたポスターに出会った時、何時代にリセットしたいのかと違和感を覚えた。平安時代の貴族の世?戦国時代の武士の世?明治の富国強兵の世?それとも縄文時代?と自由に想像力を広げる分には楽しいのだが、リーダーの言葉として真面目にとらえると重い。ピカドンが落とされたあの時代をリセットしたいと願うが、時間の矢は戻らない。結局、気持ちを切り替えるために「リフレッシュ」の意味で使う分には罪がない。 焼き畑は「草の力」を利用した農法である。草が育てた肥沃な大地こそ「豊かな収穫」を約束する。ところが、化学肥料の発明でそんな面倒なことはしなくなった。草の力は利用されるのではなく、抜かれるものになった。同様に「草の根運動」は、たくさんの草の力を合わせて一本の「大木」(リーダー)を育てる運動といえるが、最近のリーダーは草の力に頼らずにメディアによる知名度という化学肥料に頼っているように思う。それは、ポスターでしか見たことのない候補者に一票を投じている自分にも原因はあるのだろう。そして、「自分も抜かれたのだ。」と想像する。さて、地球のリセットもロスタイムに入った。100億の力を結集して、科学・政治・文化など多様な「大木」を育てなければならない。人口爆発は、「神様が、人類を次のステージへと引き上げる発明・発見(イノベーション)の先頭に立ち、新しい世の中を創造できるリーダーの出現に賭けているのだろう。」と想像する。この期待に応えられなければ、我々の文明は、線香花火の最後の火玉となるかもしれない。まるで宇宙から見た夜の地球に輝く都市の灯りのようだ。私は何をリセットしなければならないのか、と想像して「いや、守らなければならないのだ。決して抜かれはしないぞ。」と草の心を燃やしてみた。(2017年10月28日@nortan明日の台風22号を心配しながら)

58、マクロとミクロ

ミランコ…とは、虫の名前ではない。ミランコビッチ・サイクル。「地軸の傾きの変化や歳差運動・公転軌道の変化がからみあって日射時間が変化する。氷河期をもたらす数万年単位のマクロ周期」である。そこから見えてくるのは、太陽の周囲をバランスのくずれかけた独楽のように周回する地球。自転速度も1日20時間から24時間へと遅くなってきている。その不安定の調和で生じたマクロ季節の間氷期に、幸運にも進化できた人類。先日の震度5の地震も東北大震災の「余振」と発表された。7年は、地球にとってミクロの時間でしかない。水面の薄氷のような地表で、マグマの気紛れに耐えながら、ミクロの生命を繋いでいる私たちには、マクロな思考が必要だと思う。そのミクロの視点をマクロに転換するのに必要なのは、ミランコビッチのような科学の知識と創造力だ。また、それを維持するには平和が必要だ。

先日来、「宣戦布告とみなす。」「今に分かる。」とミクロの世界では舌戦が火花を散らしている。場合によっては、汚染を除去するのにミランコビッチ・サイクルを超えるマクロな期間を要するかもしれない。ミランコビッチが発見した周期間に、幸運にも成長できた私たちの文明を止めてはならない。我が国の新リーダーには、マクロな視野で心を鬼にして尽力してもらいたい。またもや、鬼の己羅夢となったが、リーダーを「平和の鬼」にするには、私たちこそ鬼とならねばならぬのかもしれない。

さて、地球はどう考えているのかと地面を見ても、蟻すら姿を現わさない。もう、虫の知らせがSNSで出回っているのなら、マクロならぬマクラでミクロな耳の穴を塞ごうか。(2017年10月9日@nortan)

55、必然?考

微生物が膜を形成し単細胞生物となったのは、自らを守る(生きぬく)ための必然か。単細胞生物が役割を分担し協力することで多細胞生物ヘ進化したのは必然か。爆発的に多様化した海中の生物が陸をめざしたのは、海中での生存競争を生きぬくための必然か。陸上の生存競争の頂点に立った恐竜が鳥へと多様化(進化)したのは、隕石衝突で劇的に変化したといわれる環境から絶滅を逃れるための必然か。その後、身体機能では肉食動物に劣るヒトが、知恵と文化と驚異的拡散能力によって生物界(哺乳類)の頂点に立つことができたのは必然か。そのヒトが、科学という信仰で第2の地球を発見し、その惑星へ拡散していくだろうことも必然か。

昨夜、映画『パッセンジャー(ズ)』を鑑賞してきた。娯楽性としての評価は高低あるが、映像としての評価が高いのは納得。そこに、哲学志向として評価を加えた。光速の1/2の速さで60光年先のコロニー(植民惑星)に向かう5000人の移住者たち。120年の冬眠のはずが、30年で目覚めてしまう主人公。送信したSOSのメッセージへの回答が届くのは50年後。再び冬眠に戻ることもできない。1年間の孤独に耐えた主人公の決断と、それによって背負うこととなったもの…その他の巨大生物や宇宙人が登場する娯楽作品より、近未来のリアリティを感じた。SFならずとも「浦島太郎」のような昔話でも、物語の形をかりて哲学(生き方)を問いかけてくる。故に、観賞したヒトの数だけ答えもでるのだろう。21年目の結婚記念日を前に、私は妻への感謝と人類の必然や叶わぬかもしれぬ未来を感じた。「○○ファースト!」と叫ぶのではなく、共存・多様化(非絶滅)の道を歩みたい。(2017年3月26日@nortan)

36、時間が流れるのは

ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した若きホーキングが、恋人や研究仲間との出会いに支えられながら博士論文を作り上げていく半生の映画に出会った。ケンブリッジ大学で発表された論文の計算ミスを指摘することで自身の才能を認めさせようとするホーキングは「他人の批判に才能を使うな。自分のオリジナルに才能を使え。」と厳しくたしなめられる。宣告された余命の2年で博士論文を完成させるという強い意志。「自分の時間は限られている。」そして、ホーキングは「アインシュタインを美しくした。」と物理学者から評価される「宇宙のはじまりに関する博士論文」を完成させる。結果、2人は20世紀を代表する偉人となった。現在、余命宣告にも打ち勝ち60歳を越えた博士は、TEDのプレゼンテーションで人類の未来を「我々は、宇宙に出ていく宿命にある。もし、宇宙に生命が我々しか存在しないのならば、それは何としても成し遂げなければならない。だからこそ、私は有人宇宙探索を『推進する』」と語った。博士は、また「私は幸せであった。ALSであったゆえに、研究に集中することができた。」と語った。その深い溜息には言葉をこえた思いも感じられずにはいられないが、何とポジティブシンキングであろうか。さて、『時間はどうして流れるのか』これは、私には解決できないテーマであるが、博士の生きざまと言葉から答えが見えたような気がする。人は誰でも何かを推進する使命をもっていると考えよう。オリジナルであれ伝統であれ。たとえ明日の予定に追われることに精一杯で、何を推進しているのか気づかなくても。この『推進意識』こそが時間を流しているのだろう。さあ、推進するぞ。ところで、私は何を美しくしているのだろうか?そういえば、テレビを見ている時、外国人男性の言葉を聞いて「あまり言ってくれないね。」と妻からの言葉を思い出した。「今日も美しいよ。」の一言。日本人として今だに照れてしまうが、もっと妻を推進していかなければと反省させられる。(2016年4月30日@nortan)

28、月の大きさ

夕方、ビルの横に昇った大きな月を、スマホのカメラは小さな光にしか写しとれない。月は地球から約38万km離れたところにある。といっても直径は約3000km(地球の1/4でオーストラリア大陸ほど)もある。科学的には、楕円軌道で遠近点距離差が約5万kmの差ができ、実際見える大きさに14%ほどの違いが生じる。それでも、地球からは5円玉の穴におさまる大きさだそうだ。いや、ビルに並ぶともっと大きく見える!!私たちの眼が月に対して望遠機能を働かせているのだろうか。それとも、錯覚の科学で話題になった「見えないゴリラ」と同様に「見えすぎる月」も錯覚なのだろうか。「人間は進化の過程で暗闇に光る円いもの(獣たちの目)に気づく能力を発達させた。だから、月を必要として大きく認識している。」という説がある。地平線近くで大きく見えるが、高く昇るにつれ小さく見えるのは、獣が地面に身を潜めることに関係していそうだ。でも、獣なら光る点は2つだと疑問に思っていたら…「昔、月は2つあった。」という新説が出された。コンピュータのシェミレーションによって、原始の地球に月のもととなる隕石が衝突した後、飛び散ったかけらを集めた大小2つの月ができることが発見された。その後、小さい月が大きい月にゆっくりと衝突して現在の月となったという。月の裏側が表側と違う地形である理由もそれで説明できるようだ。地球上に生命が誕生する前の出来事だが、夜空を見上げて月が2つに見える時は、かすみ眼や乱視のせいではなく、遠い昔の空を夢見ているのかもしれない。さて、月やゴリラに限らず、人は自らの都合のいいように物ごとを見ていることは間違いなさそうだ。怖いものや魅力を感じるものに出会ったら、カメラで撮影して確かめてみよう。ゴリラのような上司が可愛いコアラだったり、月がスッポンだったりするかもしれない。(2015年12月28日@nortan)

23、わずか14光年

ケプラー探査機が活躍する1990年代に入って、恒星の惑星公転によるふらつきの測定や恒星を横切る時の光度変化の測定(トランジット法)で、2300以上の惑星発見が相次いだ。ケプラー22bは、恒星に近すぎず遠すぎず、水が液体で存在し人類が生存可能な『ハビタブルゾーン』に位置する。「620光年彼方だが、知的生命がいるかもしれない。人類は孤独ではない。」と胸おどらせてから3年。「わずか14光年、最短距離にウルフ1061c発見。」のニュース。近い!の初感に、注目のはやぶさのイオンエンジン最大速度80km/sで計算してみた。1光年は、約9.5兆km。9.5兆÷80÷60÷60÷24÷365 ≒ 3765。つまり、3765年の14倍かかる彼方である。光で14年といっても、人間の時間では遠すぎた。今の私たちの最先端技術では、100年で約1/40光年しか移動できない。NASAは、20年以内に地球外生命の発見がされるだろうと観測には楽観主義であるが、今地球上で起こっている環境・社会的要因を考えると、発見に終わる不安を思う。TEDトークでのホーキング博士「有人宇宙飛行の実現、宇宙に出ていくことこそが人類の未来である。」の道を歩き続けることができるだろうか。3年後、「1光年先に、地球そっくりの惑星発見」のニュースがとびこんできたとしても、残り1/100光年分の距離しか移動できない私にとっては、地球が『ハビタブル』であり続けることの方が優先課題である。(2015年12月19日@nortan)

18、ふたりの時間軸

空間と時間は互いに関連し「時空間」を構成する。「運動するもの」の時間の進み方は変化し、「重力」は空間を歪め、時間の進み方を遅らせる。難解であるが、3年かけて自動車の時計が15分もズレたことを、アインシュタインのせいにして理解していたら、最近また不思議と出合った。「時間軸」が過去にも未来にも変化するというのだ。今この瞬間、私とあなたが同じ時間を共有していることは間違いないはずだが…必ずしもそうではないらしい。私があなたに向かって運動していれば「未来のあなた」と、離れる方向に運動していれば「過去のあなた」と同じ時間を生きていることになるらしい。もちろん、地球上ではとてつもなく0秒に近い時間の話だが、2人の距離が広くなるほど時間差も増えていく。うむ、これは「2人が時間を共有するのは、静止しているときだけ」ということ?また、未来の子孫と同時間軸に存在するためには、S Fのごとく「私がテレポーテーションで地球からとてつもなく遠くはなれた世界に瞬間移動し、地球に向かって運動する」か、逆に「子孫が未来で遠い場所に移動し、さらに地球から離れる方向に運動する」ことが必要となる。ここまで考えて「そんなに離れて、時間を共有?」と思う。過去と未来を結ぶテレビ電話の発明に役立ちそうなアイデアであるが、やはり、大切な人たちと時間軸を共有するなら、提防に腰をおろして一緒に海を眺めている方がいい。(2015年12月11日@nortan)