267、独立心

三十年前に、親に言った言葉が我が子から返ってきた。

自立しようとする我が子の成長を嬉しく思い、応援しつつも、「今はコロナ禍だからこそ、家族は一緒にいよう…」と諭そうとする。

かつて親離れしたかった子が、少しばかり子離れできない父親になってしまった。

あの時の両親の心を今にして知るとは、随分時間がかかったものだ。

今夜、眠りにつき、過去に戻れたなら、尖った言葉を丸めて、ありのままの感謝で、言い直したい。

「心配だろうけど、自分に自信がついたら、必ず戻ってくる。応援してくれてありがとう。」

ようやく、「さみしさ」を飲み込む覚悟ができた。眠れぬ夜も、今日で終わりそうだ。

時越えて ひとり飲み込む 親心

(2020年11月29日@nortan)

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