ドラえもんの世界が大変なことになっている。3月31日のこと。新しい校長先生が、委員会に推薦されて小学校に来ることになっていた6人の白シャツ先生の赴任を拒否したのだ。
どうやら、6人は過去に、校長先生の考えに少なからず反対したことがあるらしい。校長は、法に則り適切に判断したと主張しているが、「自分の考えに従わぬ者を排除しているのではないか。」と地域の保護者が立ち上がった。
そこで、保護者会が開らかれて校長が説明することになった。
「地域の皆さんのために働く学校をつくるためです。」
何処かで聞いたような言い訳と、聞こえの良さに、皆は納得させられてしまった。
さて、始業式。のび太たちの担任の先生は、校長のお気に入り赤シャツ先生になった。勉強が苦手なのび太や、乱暴者のジャイアン、のび太を贔屓(ひいき)にするしずかの3人が問題児としてレッテルを貼られてしまった。
「三人とも、後ろに立っていなさい!」
それを知ったドラえもんは、秘密道具「もしもボックス」で「もし、6人の白シャツ先生が赴任していたら…」と世界を変えてしまった。
すると、担任の先生が白シャツ先生に変わり、のび太は「勉強が苦手だけど、思いやりのある子」、ジャイアンは「乱暴なところがあるが、友だちを守るために頑張るところもある子」、しずかは「のび太を贔屓にしているのではなく、弱い立場の子を守る正義感のある子」と、それぞれの良さを評価されるようになった。
しかし、もしもボックスの効き目は長くは続かず、3月31日に戻ってしまった。
さて、今、私たち大人に何ができるのだろうか。
(2020年10月2日@nortan 我が子の怪我を心配する車中にて)