蜂が音を立てて集まり飛び回る様子から、人が集まってわいわいと話題にすることをBuzzるというと知った。「Buzzる」を良い意味に使うのに比較して、悪い意味で使われる炎上は、Flameを使うらしい。こちらは「Flameる」となるのだろうか。
SNSでの情報発信が社会生活に溶け込んで、芸能人だけでなく他国の大統領の呟きまで一瞬に手元のスマホに届く。戦略的に慎重に言葉を選んで秘書たちが校正もしたりするのだろうが、時々BuzzったりFlameったりしていることもある。これらのことを差っ引いても、政治家が何を考え、何を行おうとしているか知るのに、ニュースなどの間接メディアは必要なくなりつつある。それゆえ「深く自分の頭で考えること」は、今まで以上に重要になってきた。90年前の悪しきポピュリズムを繰り返してはいけない。
換言すれば、専門家たちの思考や社会の常識を経ずに、感情的に操作されてしまう心配も大きくなってきている。他国の大統領選でも、討論会の演説と同等にSNSは重要な戦略だそうだ。
さて、芸能人や政治家でなくても個人の発言が社会に与える影響も大きくなった。SNSへの誹謗中傷による事件や、SNSでの主張で拘束される隣国の出来事などの心配なことも増えてきている。だから、「弱者に向けたFlameる」と「強者に向けたBuzzる」の違いには気づくことが必要だ。それができれば、SNSは建設的な議論の場に近づくに違いない。
(2020年9月19日@nortan)