日本人にとって、名詞の可算・不可算だけでなく、英語の「the」を使いこなすことも難しい課題である。
例えば、in the morning には the が必要なのに at night は the を必要としないなどである。
また、I am in control of you. と I am in the control of you. との違いである。the の有無で、コントロールの方向が反対になってしまうのだ。これは、in front of bus ならバスの前(外)であるが、in the front of bus ならバスの中の前方であることから類推できる。つまり、I am in the control of my wife. では亭主関白ならぬ嬶天下を想像して間違いない。「その方が家庭が円満になる」とか「もっと頼り甲斐のある所を…」といった昭和的価値観は別にして、今までこんな大きな違いにも気づかずに「the」と付き合っていたと反省させられた。
反対に、納得させられたこともある。真実は「the truth」だが、事実は「a fact」だということ。松本清張の小説「点と線」では、たくさんの事実(点)を結んで、たった1つの真実(線)に辿り着いていく。これは、その後の刑事ドラマや探偵アニメの常套句「真実はひとつ!」にもなっている。そうか、このように考えたら苦手な the ともうまく付き合っていけそうだ。
さて、the SENKYOが行われることになった。各々が私たちとの約束を熱く語り始めた。気になって「約束」はどちらなのか調べてみると「a promise」である。良かった。それなら、「1つ」でなく「たくさん」約束することができると考えて…ふと心配がよぎった。lie も 「a lie」であった。
未来のために、私たちこそpromise(約束)の真偽をcontrol(管理)しなければならない。果してこの場合、theとaはどちらなのだろうか。
(2020年9月8日@nortan)