中長期在留外国人数は約262万人(令和元年)である。近年、ベトナムからが急増(前年増加比+24.5%)し、2位の韓国に迫っている。コンビニの店員さんの名札にもベトナムの名前が多く、丁寧に対応してくれることも多い。
我が国への在留資格は29種類(2019年7月)あり、永住者に次いで技能実習生が約40万人(14%)で2位、留学生が約35万人(11.8%)で3位ある。留学生で30万人以上を受け入れているのは、英語圏を除きトップクラスとなった。
技能実習でアルバイトは不可なので、よく見るコンビニ店員は、特別の労働許可を申請した留学生なのだろう。日本語を学びながら大学に通い、学費や生活費をアルバイトで稼いでいるとは感心である。日本のことが好きで、大きな夢をもって来日しているのだと思わさせられるが、事情は複雑である。
1990年代、国内の労働力不足問題に対して南米やフィリピンの日系人の受け入れが始まった。その後、国際貢献と銘打った技能実習制度によるアジア諸国の労働者受け入れが始まり、2019年から「特定技能」が人手不足と認められる業種を対象に、新たな在留資格に加えられた。本来、留学生はこの労働力不足問題とは関係ないはずである。
一昨年、ある大学が定員を越える程の留学生を受け入れながら、実態として留学生のほとんどが授業に参加せず、また行方不明になっている学生も少なくないことが問題になっていた。ひょっとしたら、コンビニでお釣りを手渡してくれた店員も同様の問題を抱えているのではないかと想像させられた。大学で学ぶ余裕がない程、アルバイトをしなければならないのは奇妙ですらある。本当に、ベトナムの若者に日本留学ブームが起こっているのだろうか。そうではないように思う。
昨日、在位長期記録をうち立てた首相が辞任を表明した。持病と戦いながら職務にあたられたことに敬意を表さなければならないと思う。その上で次の首相には、超高齢少子社会に突入している我が国の労働力問題などの諸課題解決にも「50年後の誇れる日本」を見通した道筋を示していただきたいと願う。
(2020年8月30日@nortan)