中学の文章題である。野次さんが喜多さんより10分早く出発した。野次さんは分速100m、喜多さんは分速100m。何分後に追いつきますか? 答えは多分、10分で1000m離れていたのを、1分で0mずつ近づいていくことになるから、永遠に追いつかない。ブー。野次さんは10分後に忘れ物に気づいて戻ってきたので、1分で200mずつ近づき、答えは5分でした。う一ん、野次さんのおっちょこちょいを忘れていた。
同じような問題に、アキレスとカメがある。カメがアキレスより10分早くスタートした。速さはカメの歩み。アキレスの速さは世界一。さて、いつ追いつくでしょうか? 答えは多分、一瞬。ブー。それなら、アキレスがカメが「いた」地点に来た時、カメは「必ず」アキレスより「前に」進んでいるから、答えは永遠に追いつけない。これは有名なパラドックスだ。再びブー。カメはスタートはしたけれど、一歩も進まなかったので、答えは、既に追いついていた。うん、またやられた。
眠れぬ夜なので、こんな風に一人問答をしていたら、コロナ禍の自粛生活で旅に出たい気持ちが疼いてきた。
そこで問題。今、日本人のコロナウィルス免疫獲得率は約0.2%。旅に出たあなたは1日に100人と密になるとします。何日目に、コロナウイルスに罹患するでしょうか。0.2%かける100は20%。20%かける5で100%だから、答えは5日目。ちがいます。新しい生活様式で、皆が相手を思いやっているから、正解は、いつになっても大丈夫。また、間違ってしまった。
しかし、大切なことに気づいた。今後、この文章題を大人の「信頼算」と名づけ、カメの歩みでも、必ず前に進んでやろうと思う。
(2020年6月23日@nortan 眠れない夜に)