222、正しい道

静かな熱い運動が世界中に広がっている。最初に報道されたのは、アメリカの商店の窓ガラスを割り、商品を奪い去る人々の姿やパトカーの上で飛び跳ねる人の様子だった。そして、夜にホワイトハウス前で大声を出している人と燃え上がる炎だ。しかし、それはこの機に乗じる一部の者の姿だ。

フロイドさんの家族の訴え。「私は、あなたたちの何倍も怒っている。しかし、破壊行為は行っていない。平和的に運動してほしい。そして、ジョージ・フロイドの名前を忘れないでほしい。」その後、地面に崩れて、声にならぬ叫びをあげた。その声が、地面を突きぬけたのだろうか。

10代の若者に「俺は10年前、怒りを理由に君のように暴動に参加した。しかし、それでは世の中は変わらなかった。君には正しい道を見つけてほしい。それは君らの世代にしかできないことだ。10年後も、また同じことを繰り返しているのか。」と語りかけた男性。この様子も世界中に伝わった。私たちは、彼らの静かな怒りを受けとめなければならない。

ガンジーのように平和的な運動を前に、警察官も膝をついて敬意を表す。パリでは、地面にうつ伏せになった人々が「I can’t breathe!」と声をあげる。静かだが、とても熱い思いが画面をとび出して伝わってくる。

実は、コロナ後の世の中は、他人を保ウイルス者として遠ざける排他社会になると心配していた。しかし、差別をなくし世界を一つにする静かな運動も広がってきている。コロナから奇跡的に回復した英国の首相は、さっそく「私も皆さんの怒りを理解する。」とメッセージを発信した。他のリーダーたちは何と語るのだろうか。いや、大切なのは「私がどちらの道を歩むか」なのだ!

(2020年6月4日@nortan)

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