213、2つの生活様式

専門家会議の提言を受けて、各業界で具体化が盛んである。しかし、違和感を覚えてしまうものがある。

外国でマスクをきちんとしていないことを注意された母親が、小さな子どもの前で逮捕されたという報道に、それなら「私は、マスクはしない!」と言っているあの人は?という違和感に近い。

2カ月ほど一斉に止まっていた経済の歯車を回すため、皆が必死で新しい生活様式を取り入れようとしていることには間違いない。だから、新しい生活様式を否定するのではない。感じているのは、感染している可能性があるのを「相手」に置くルールなのか、「自分」に置くルールなのかの違和感である。

業界の打ち出した具体的ルールをの幾つかは、「相手」型のように感じてしまう。確かに、私たちは校則のようなルール作りが得意な国民性だ。もちろん、社会を守るために仕方ないことなのかも知れない。しかし、その校則ってオカシクナイ? である。

もし、あなたが「それ以上近づいたら校則違反です。」と言われた時、「自分を守ってくれているんだ。」と 感じられるだろうか。それは、納得できない校則なら受け入れられないが、自分から守ろうと決めたルールなら、言われなくても守れることと同じだ。もちろん、科学的根拠も必要だ。

この2つの生活様式の違いに気づかなければ、コロナ禍収束後の社会は他者排除の「冷たい社会」になっているかもしれない。自分から進んで他者を守るための生活様式でありたいものだ。

さて、落ちこんだ経済回復には5年かかると言われているが、失われた「思いやり」は5年で回復するのだろうか。

(2020年5月18日@nortan)

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