203高地は、中国遼東半島にあり日露戦争の激戦地。映画二百三高地は、笠原和夫の脚本でテレビドラマとして1981年に放送されていた。
最終回、ロシアと友好を願う反戦主義者でありながらも、無謀な作戦に203高地で散っていく主人公と、日本で帰国を待つ恋人とが交錯する場面、バックに流れるさだまさしの歌声。
おしえてください♪
この世に生きとし生けるものの♪
すべての生命に限りがあるのならば♪
…
愛は死にますか♪
心は死にますか♪
私の大切な故郷もみんな♪
逝ってしまいますか♪
人と人との繋がりを引き裂く非常事態、人間から心を奪い取る戦争、そう生きざるを得なかった時代を感じて、頬に涙が零れ落ちたことを思い出した。
さだの歌詩のもとは、万葉歌らしい。それによると、
死にます
死ぬからこそ海は潮が干いて
死ぬからこそ山は枯れるのです
と、無常と輪廻をうたっている。
テレビドラマでは、確か、散った主人公のかわりに恋人が教壇に立つシーンで終わる。
203高地での激戦から116年。コロナ非常事態が続く中、隣大国の南洋侵出が活性化しているというニュース…
大切なものを守るため、
愛も心も死なせてはいけない。
(2020年5月2日@nortan)