ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎先生の理論。
宇宙は、電子場やクォーク場などのいろいろな場から成り立っている。それらは波の性質をもっていて、静かな揺らぎのないゼロ状態に落ちついている。それなら、宇宙に物質が生まれず、いつまでも「無」のままだ。しかし、私たちが存在するのは何故だろうか?これが南部先生の疑問だった。
まるい器の底にあるビー王は、器を動かしても必ず底の中央(ゼロ状態)に落ちつくのだ。
そこで、解決のヒントになったのが「ワインボトルの底」だ。ボトルの底(中央)は、一番底ではなく少し盛り上がっている。底(中央)は安定したゼロ地点であるが、そこに置かれたビー玉は自ずと周囲に転げ落ちる。それを上から見ると、中心ではなく周辺のどこかに偏っていることになる。これが対称性の破れた状態だ。
他に、紙の上に芯を下にして「立てた鉛筆が、必ず倒れる」ことにも例えられる。
このように対称性が自発的に破れて、物質である私たちが誕生したというのだ。つまり、宇宙は対称ではない。ゼロより、さらに低い状態がある。ということなのだろうと自分なりに理解した。
それを現在のコロナウィルスとの戦いに例えてみた。
ウイルスに負けそうな弱気になるが、自ずと勝敗は決する(必ず人類が勝つ)。今をつらいと感じるが、更に低い状態がある(そうなる前に頑張れば、乗り越えられる)。と、これも勝手に解釈をつけてみた。
さて、この例えの評価はワインボトルの底に置いておいて、今が世界中のノーベル賞級の知恵を結集するべき時であることは間違いない。
(2020年4月30日@nortan)