将棋の世界で、羽生善治さんの大局観はズバ抜けているらしい。大局観とは、全体を感じる力である。将棋盤の部分に集中しているようで、しっかり盤全体を考えている。
AIは、その大局観を数値に置き換え、膨大な過去のデータと照らしあわせて次の一手を計算しているらしい。最近は、そのAIとの対戦で力をつけてきた若手棋士たちに、大局観の羽生さんが一敗を喫するようになってきたようだ。
AIは、電気エネルギーさえあれば24時間365日一秒も休まず学び続ける。食事や睡眠が必要で、忘れることも得意な人間に敵うはずがない。もはや完敗だ。
さて、コロナウイルスとの戦い。スウェーデンは外出制限も出さず、小中学校の休校もなし、美容院やレストランも営業しているという。けっして早期の集団免疫獲得を戦術としていないとの政府見解だが、暗にそれを期待しているのかもしれないと思う。我が国にも同様の主張も存在するし、勿論、経済活動が長期間止まることによる生活苦を心配する声は大きい。
科学的には、ウイルスに勝つためは抗体を持つこと。そのためには、ワクチンを接種するか、感染に負けずに自力で抗体を獲得するしかない。
「私たちがとる次の一手は?」
そう尋ねるべきは、羽生さんか、AIか、集団免疫学の専門家か。
次の選挙が心配で思いやりの立法や政策を早期実現させられぬマスクの人より、日本で一番「大局観」のある人に尋ねてみたい。
(2020年4月30日@nortan 国会中継を見て)