197、Boolean

おおかみ少年は、100の内99が嘘だったために、大切な1つの本当を信じてもらえなかった。これは、子どもを諌めるための寓話である。

あるSNS情報は、100の内99が事実で、1つは根も葉もない虚実であった。そのため、それを信じた大人の行動によって生じた社会的混乱が回復するまでに1か月程かかった。

私たちは、「全てを信じるか、さもなくば、全てを疑う」イチゼロ思考に支配されているようだ。

そもそも、100%正しいことや100%間違っていることは存在するのだろうか?と問えば、「正義と悪」があるよと誰かが答えるかもしれない。

100%正義と思い込んでいるスーパーヒーローは、相手も100%の悪と決めつけ、自分の必殺技に酔いしれている。私たちは、それを格好いいと感じる。しかし、よく考えれば、これは危険である。ヒーローは寛大であってほしい。

私たちは100か0の存在でなく、0度から100度の温度を揺れ動く「水」と同じなのだ。それでも、ものごとは表と裏(つまり対立する2つの存在)しかないと言うならば10円玉を見つめてほしい。間違いなく表と裏をつなぐ側面がある。5円玉なんか、中にもあるではないか。

そう、随分前に上司から「100%間違いないだろうな。(そうでなければ、お前が責任をとれ。)」と必殺技Booleanを繰り出されたことがある。今なら立派なパワーハラスメントだ。Booleanは真か偽の値しかもつことができない明確変数なのだ。

今なら「何を言っているんですか。責任は押しつけるものではないですよ。」と笑って、「85%です。対応を判断して下さい。」とカウンター技Fuzzyでお返しするのだが。Fuzzyは人工知能にも応用される理論で0から1(100%)の間を揺れ動く確率的変数なのだ。

さて、毎日のように流れてくる情報もFuzzyだ。日々の報道に携わる責任ある機関は、天気予報の降水確率のように、ニュースに「情報確率」をつけてはどうだろうか。

私たちは、たった1つのフェイクニュースが、世界を変えてしまう情報操作時代に生きているのだ。

トイレットペーパー騒動は、私たち大人を諌める2度目の実話になった。せめて、次の世代にはこれを寓話にして、Fuzzyに情報を見抜く力をつけてほしい。

(2020年4月29日@nortan 歴史は繰り返された)

197、Boolean」への1件のフィードバック

  1. 私はパチンコなどやりませんが、感染症対策が行われていれば営業しても構わないと思ってます!あとは利用する客の問題です。スーパーに家族連れで来たりとかの方がよっぽど問題でそこらへんが制御できなくなってしまったのが良くないのですね!

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