191、なし-あます

医者の不養生、髪結い髪結わず、易者身の上知らず、坊主の不信心、算術者の不身代、大工の掘っ立て…など、紺屋の白袴の類義語だ。

これらは「他人のことばかりに手がかかり、自分のことには手がまわらないこと」と解釈すればポジティブで好意的だが、「その道の専門家なのに、自分のことができていない」と解釈すればネガティブで否定的である。

今、時代はネガティブ期だと思う。平和主義者の核武装論、働き方改革推進社長のサービス残業強制、情報公開推進者のシュレッダー廃棄、公共職務者の私的利益追求、人権推進者の後輩いじめ、ダイバーシティ賛同経営者の外国人お断り…など、未来の辞書に載りそうな造語の誕生ラッシュだ。

来年夏の2O2Oオリンピックに、ネガティブとポジティブの潮目の変化を期待しながらも「東京オリンピック後の日本経済崩壊」など、外国からの渡日選手たちを、おもてなししてばかりいられない近未来予測に穏やかでいられない。

ところで、おもてなしは英語でHospitalityだそうだが、オリンピック後は、世界のOMOTE-NASHIにしようという運動も展開されているようだ。その時、間違って忖度なスマホに「自分のことができていない(OMOTE-AMASU)」というネガティブな意味にAI翻訳されてしまわないように気をつけなければなるまい…

(2019年12月29日@nortan)

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