ジョブズが発表した頃のiPhoneは、カメラなど本物に似せたアイコンや本棚などのアプリの表情にも、それまでの携帯の白黒テキストとは違った面白さを感じていた。このデザイン手法を、「スキューモーフィックデザイン」という。
そして、携帯市場でスマートフォンが大勢を占めて、日常的に使うことが増えると、画像データ量を抑えて表示を高速化すること・屋外でも視認性を高めることを理由に平面的な「フラットデザイン」が主流となってきた。しかし、スマホ画面に慣れないとボタンなどが識別しにくく、このデザインにも弱点がある。
そこで、Googleが取り組んでいるのが「マテリアルデザイン(フラット2.0)」だ。確かに、スマホ画面にならぶアイコンを見比べると、Googleのアプリには若干の遠近感や影の表現(質感)がある。デザインの世界の変化も激しいようだ。
さて、これらのデザインは現実世界である3Dをスマホ画面2Dにどのように表現するかが柱である。スマホ画面が3Dホログラムになれば、スキューモーフィズムの復活もあるだろうか…と考えていたら、ふと頭に浮かんだ。
この世界は、神々の世界のスキューモーフィックデザインではないだろうか。神々の世界に似せて創られているが、造形的にも精神的にも何かが不十分である。それは、神々の4D世界を3Dに表現しているからだ。今のところ、神々の世界でこの道具が流行していないが、八百万の神々が携帯するようになったら、その影響で世界のデザインがフラットになるのだろうか。もし、明日の朝目覚めた時に、自分の顔がアニメのようになっていても気づくことはないだろうが、せめて「どのボタンを押してよいか」世界の重なりが判断できるように、薄い影をつけておいてほしい。
(2019年10月20日@nortan)