179、紅白青

饅頭・歌合戦など我が国で祝い事を中心に配色されるのが紅白である。赤を紅に置き換えるのは、赤の音が惜(せき)と重なるからだそうだ。

日本では、紅白は源氏の白旗と平氏の赤旗がルーツだとか、赤飯がルーツだとか様々に言われている。一方、世界に目をむければ、ワインが紅白である。自然醗酵酒であるワインの歴史は古く、メリポタミア文明に遡る。その後、ギリシャを通してローマ時代にワインが広まった。赤と白の違いは品種と醗酵のタイミングだ。

2015年にスペインでGik(ギク)というワインが発売されたそうだ。アントシアニンにジーンズの天然染料インディゴが合わさると鮮やかな青色になる。しかし、青はワインの伝統に反するとの抗議を受け、99%ワイン(ワインではない)という微妙な位置に落ち着いたそうだ。水の惑星地球にとって青は大切な色だ。青ワインも100%ワインと認めてはどうだろうか。

そして、平和の祭典であるオリンピックを前に、世界中の代表が、赤白に「地球の青」を加えた三色のワインで「平和と協力と尊重」の乾杯ができないものだろうか。そうすれば、Gik(ギク)惜(しゃく)した関係も改善するに違いない。

(2019年10月14日@nortan)

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