プライムで映画を鑑賞した。北欧映画(字幕)であるが、言葉の壁を感じない。ジャンルは、泣けるコメディ。どこか、日本映画「男はつらいよ」に似て、周囲に迷惑なほど不器用で一途な愛。スウェーデンでは、5人に1人が鑑賞したという。日本人と北欧人は繋がっているのかもしれない。
ぼっちと言えば、「一人ぼっち」や「ぼっち飯」など、我か国ではマイナスイメージになる。余程、集団でいることを良しとする文化、群れることを不思議に思わぬ文化なのだろうか。
そもそも、ぼっちとは既存宗派や教団に属さない「法師」のことで、時の政権に弾圧されながらも忍耐強く布教し、日本仏教の礎となっていく行基や空海などを連想する。また、スティーブ・ジョブスやNHK「プロジェクトX」で取り上げられた挑戦者たちも、ある時期「ぼっち」であった。つまり、何かを成し遂げる者は、ぼっちからの出発だったということだ。
だから、ぼっちであると自覚したとしても、夢があるなら気にすることはない。2O2OTOKYOを目指す選手の中にも、ぼっちはいるはずだ。武田鉄也主演「金八先生」の主題歌のひとつに「一人ぼっちになるためのスタートライン」という歌詞がある。他人と違うことを恐れて群れ、空気を読んで誰かに同調したり忖度したりするより、「(志のある)ぼっち」であれと若い世代を応援したい。そのためには、私も寅さんでなければなるまい。北欧映画「幸せなひとりぼっち」を見て泣けた理由は、志ぼっちだった。
(2019年7月25日@nortan)