EU加盟国、ある首相の振えが止まらない。当然のごとく、健康不安説は否定された。首相としての求心力を維持するには、健康不安という言葉は辞書に載せられない。リーダーとは辛い職務だ。
それでは、震えの理由は何か?難民問題やEU離脱問題などの課題を乗り換えられない現状は、「国境をなくし、経済的にも政治的にも強く結びつくことで、戦争の惨禍を繰り返さない」というEUの理念を揺るがしているにちがいない。先の大戦の反省を深く受け入れることで再興を成し遂げた民主国家のリーダーとしては、この逆行に強い憤りを感じているだろう。震えの理由は「悲しみ」なのかもしれない。先日は、UKにEU脱退強硬派の首相が誕生した。「悲しみ」は「静かな怒り」にも通じる。
さて、このことは対岸の火事であろうか。震えの原因には他に「恐れ」が考えられる。やはり、健康不安を隠しているのか。いや、首相の立場にある以上、恐れの原因は世界レベルであろう。私たちに分からない何かを察知しているように思う。かつて彼女の国は、第一次・第二次と世界中を恐怖へ導いた戦争の中心でもあった。それゆえ、世界秩序の崩壊に敏感な国の首相である。私たちの未来辞書に「第三次…」という単語が書き込まれなければよいのだが。そう考えると、私の手も震えはじめそうだ。(2019年7月25日@nortan 世界中に○○ファーストが蔓延してきたのか?)