コンビニに置かれた青と赤のヨーグルトドリンクでも、一人芸のグランプリでも、国道1号線でも、NHKラジオ第1放送でもない。昭和の頃はMTSから選んで丸印をつけていた。30年前にはMTSHとなり、この6月からはMTSHRとなった。将来はMとTが退場してSHR(中学校のショート・ホームルーム)になるだろう。
冗談は横に置き、Rとは新元号のことだ。昔、元号を使用することは中国皇帝への服従の印だった。日本は、外交的には中国元号を使い、内政的には独自の元号を使っていた。最初の国内元号は、大化(西暦645年)。隣国は1910年代に元号制度をやめ、西暦を使用しているから、「令和」は、現続する唯一の元号であり、248代目(2×4=8)である。
最近、外務省から「外交文書は、西暦のみを使い、元号との併記はやめる。」や「氏名のローマ字表記は、姓名の順にする。」といったニュースが積極的に発信された。ますます、世界的に元号は独自の特別制度になりつつある。
かつて元号には、天変地異や疫病が流行した時、改元で「時代(世の中の流れ)をリセット」する機能もあった。最短元号は「暦仁(1238年)」の74日。平均3~5年での改元。最長元号は「昭和」の64年。これは、明治以降に一世一元となったからでもあるが、現代日本人を定義するにあたって重要かつ激変の時代だ。もちろん「平成」も忘れてはならぬ時代である。
また、歴史には公元号ではなく私元号も存在していたという。仏教文化が花開いた時代の「白鳳」や「朱雀」、聖徳太子信仰による「法興」、平清盛時代の「保寿」、南北朝時代の「白鹿」「応治」「至大」、自由民権運動の「自由自治」、日露戦争後の「征露」などがあるらしい。どうやら、公私元号は大切な日本文化でもあるようだ。
さて、ある意味、私たちの名前も超プライベート元号といえるかもしれない。それなら、外務省の提案のように姓名表記にすることは改元だろうか。婚姻で姓が変わることが改元だろうか。旧姓使用は?
いや、新しい夢に向かって歩きはじめた時こそが、プライベート改元(CAIGEN)なのだろう。
CAn I GEt my Nozomi ?
(2019年7月17日@nortan )