164、ド・モルガンの法則

「青森産りんごでない。」は、「青森産でない。または、りんごでない。」と同じことである。つまり、北海道産りんごや青森産ぶどうのことだ。

「全てのりんごは赤い。」の否定は、「あるりんごは赤くない。」である。つまり、世界中のりんごの色を調べなくとも、たった一つの赤くないりんごを見つけ出せば、「全てのりんごは赤い。」という真実?を否定することができる。

もう昔になってしまったが、若者に「○○なくなくない。」という言い方が流行した。否定の否定は肯定だから、これは結局「○○ない。」という単純否定に落ち着く。しかし、先の2つは少しばかり複雑だ。これはド・モルガンの法則で、

not(A and B) = (not A) or (not B)

not(A or B) = (not A) and (not B)

not (All is B) = One isn’t B

not (One is B) = All isn’t B

と4つの式で表すことができる。

さて、最後の式をある言葉に直してみた。「一羽の青い鳥がいる。」の否定は、「世界中の全ての鳥は、青い鳥ではない。」となる。先のりんごの話とは違い、青い鳥の存在を否定するには、世界中の鳥を虱潰しに調べきらなくてはならないことになる。それは不可能であるから、私たちは「どこかにいるはず」と希望をもつ。

そうか!ド・モルガンの法則は『幸せの青い鳥(希望の法則)』でもあったのだ。数学の神様が私たちに希望を忘れさせまいとしてくれているのだ。ないない尽くしを考えていたら、宇宙が無限である謎も解けたようだ。

(2019年7月17日@nortan そういえば、Apple社のりんごは赤くなかった。)

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