チャンスは、突然舞い込んだ幸運のこと。だから、チャンスは「つかむ」か「逃す」かである。それに対して、オポチュニティは、他の選択肢もある中で自ら選んだ機会のこと。だから、他方を選んでいた場合との「結果の差」が生じる。それが、オポチュニティコスト(機会損失)である。チャンスはコストを度外視するが、オポチュニティには損失(コスト)が伴う。他の道を選択したほうが良かったかもという「後悔」も生じる。つまり、それを承知で選択したという覚悟が「ある」か「ない」が核心である。
さて、オポチュニティコストについて考えてみた。チャレンジしてスタート地点に立つことができたと考えれば、チャンスでもある。しかし、やり遂げられるかという「不安」に焦点を当てると、コストとなる。つまり、この「不安」が「覚悟」を揺さぶる。単純に、チャンスとオポチュニティとを線引きできず、日によって行ったり来たりする。
そこで、火星のオポチュニティに思いを馳せてみた。彼?彼女?にも「不安」はあったに違いない。それを乗り越えて、10年近くも砂嵐とたたかえたのはなぜだろうか。それは、離れた場所で同じ目的と夢をもつ仲間がいたからだ。また、地球には万一に備えた専門家もいた。
己のめざす道も赤い大地だが、一人ではない。そう心から思えた時、「不安」は再び「覚悟」に変わり、チャンスとなるのだろう。(2019年3月23日@nortan本日は、よい式辞をいただいた)