142、使い道

ニュースで景気が回復していると言われる程に「豊かさ」の実感が伴なわない。「海外の航空会社が、誤ってファーストクラスチケットを7万円程で売り出してしまった。既に購入した人は、そのままでOKです。」というニュース。ファーストクラスも旅の往復手段に「ねうち」を置けば、有りかもしれないが、目的地に「ねうち」を置けば、湯水の如く…でない限り「無し」だろう。実は、正料金は170万円だというから、恋人のために宇宙船を借り切ったというニュースくらいにセレブの話だった。我が国も、隣大国のように富裕層(セレブ)とそうでない者(庶民)とに二極化していく(いる)のだろう。しかし、マクロな視点で考えれば、富裕層の消費は、電車・バス派の庶民への還元でもあるから、妬むより、どんどん推進すべきかもしれない。そのことで、庶民の税も下がれば有り難い。

この両者の違いは「税とのつきあい方」かもしれない。先の誤チケット代にもならぬ年末還付で十数年ぶりに半額セールのスーツを新調した時「まだ、8%でよかった。」と感じる庶民。年間報酬数十億円でも、投資による損失を会社に付けて、海外の別宅金庫に資産を隠す知恵を働かせる富裕層。いや、本物の富裕層は、慈善基金財団を経由して病気・貧困・教育などの社会問題解決のために巨額の寄付を行うような者だろう。寄付は税対策にもなるが、それだけでビルゲイツの巨額の寄付行為を説明できない。「税の使い道は、人類のために私が決めたい。」素敵な富裕層(セレブ)だ。ちなみに、ビルゲイツは徹底した節約家で、ファーストクラスは使わないらしい。

ここで、庶民でも「豊かさ」を実感できる方法に気づいた。それは、少額ながらも「税の使い道を決めること」だ。ひとつは、今、流行りの「ふるさと納税」がそうかもしれない。しかし、もっと大切なことは「輝く未来をつくります。」とはっきりしない中身ではなく、「○○にみなさんの税を使って、○○をつくります。」としっかり主張し、当選後に実行できる議員を支援することだ。政治者の大切な仕事のひとつは、集めた税の使い方を決めることだ。一票を実行力ある人に託したい。

また、間接的ではあるが、Microsoft社のように企業を通して私たちの税は還元されている。Microsoftが自社製の車を作ったら乗り換えようかとも思ったが、社員に罪はない。逆に、企業は誰をTOPとするか熟慮してほしい。どこの製品を買うか選択することも、庶民にとっての「豊かさ」だ。

さて、いつか「豊かさ」を実感できるようになったら、空の旅を味わってみたいと思う。もちろん、「ねうち」は目的地。その時は、半額スーツを着ていこう。(2019年1月5日@nortan)

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