138、クラウド

パソコンやスマホを動かしているOSとアプリ。今では、インターネット経由・Wi-Fiでの更新が当たり前だ。店でパッケージになった新商品を購入し、家でCDをパソコンに入れて更新していた時代からすれば、ますますソフトウェアの形が見えなくなってきている。世界初のプログラム。それを運ぶように頼まれた者が「重さは、何kgだ?」と尋ねた。「重さはない。」と答えると、「それでは、運べない。」と言う。正確には紙にあいた穴がプログラム自身の重さだが、仕方がないので紙の重さを伝えたという話もあるそうだ。穴をあけたり、0と1の数字やプログラム言語で表記したりするのは、人間とコンピュータのやり取り上の都合であるから、そもそもソフトウェア(プログラム)には形も重さもない。雲をもつかむような真実なので「クラウド」という表現がぴったりする。今や、更新プログラムは空から降ってくる時代だ。

数日前、スマホに「OSの更新」が届いた。更新ボタンを押すと画面が変わり、ダウンロードとインストールが終了するまで10分程。随分早くなった。昔はダウンロードに夜から朝まで数時間もかかったことを思い出した。今では、使っていない時に分割してダウンロードし、完了したら通知してくれる。夜通し気にかける必要もなくなった。

さて、ここ数日、1年の疲れか年齢のせいか、体を横にすると睡魔に襲われる。気がつくと小一時間程経っている。ひょっとしたら…、クラウドから更新プログラムを分割ダウンロードしているのかもしれない。そのうち、目の前に「更新しますか?OK・キャンセル」なんて表われるかもしれない。その時は、どうしたものか。OKを押して目が覚めたら、苦手だった微積分の計算がスラスラ解けたり、外国語がペラペラ話せたりすれば素晴らしい。しかし、年齢に応じた仕様変更プログラムやバグを含んでいたらキャンセルだ。更新の詳細を読んでからにしよう。いや、それすらない自動更新?送り手は、神様?宇宙人?こんな空想に取りつかれてしまった。

空想はここまでにしておきたいが、人生の3分の2は睡眠。人は、どうして眠るのか?「寝ている間に、副交感神経が…」とか「寝ている間に、記憶の整理を…」とか「夜に適応するため、遺伝子に…」の他に、新奇な答え「クラウド説」を発見したかもしれない。(2018年12月26日@nortan)

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