宇宙の誕生として推測されるハッブル時間が、約137億年。また、33番目の素数が137。でも、自身を除く約数の和が137ではなく138なので、137は6のようなピタゴラス完全数ではない。さっと137について調べてみたが、それほど特別な数ではないようだった。
そこで、さらに調べると、ボーアの原子理論で原子番号137(仮名ウントリセプチウム)が最後の重元素だと予想されていることが分かった。それは陽子数が138になると、理論上電子速度が光速を超えてしまうからだそうだ。この時、登場するのが微細構造定数αの逆数137。難しくて充分に理解できなかったが、重力Gと同じく宇宙を成り立たせる、電磁力と光子に関する大切な定数だということが分かった。約137は、この宇宙を支配する定数なのだ。ヒッチハイクをする時に、137と書けば、それを見た物理学者が拾ってくれるというジョークまであるようだから、約137がとんでもなく特別な数に思えてきた。
実は、この約137。まだ充分に解明されていないようだ。他の結合定数は、多元宇宙それぞれで異なることができるが、αは変わらないとか、変わるとか。137.035999160(33)と最後の2桁が常に不確かで、定数といわれながらも定められないとか。こんなはっきりしない「約137」が、私たちの宇宙を、未来を支配しているのか!?と心配にもなってきた。
しかし、それは逆に考えると、私たちの運命を宇宙が定めることはできないということだ。ひょっとしたら、この「不確かさ」こそが重要なのかも知れないと思えてきた。枕元に靴下を置く子どもを卒業して随分たつが、クリスマスに素晴らしい贈りもの「未来は決まっていない」というメッセージを受けとった。(2018年12月25日@nortan)