125、仮想現実

仮想現実(VR)のお化け屋敷。それを体験している様子は、何もない広い部屋で何もない方を見て驚くなど、何とも不思議だ。コンピュータの映像処理能力が向上し、頭の動きに反応して周囲も真逆に正しく動けば、見る分には現実(R)と区別がつかない。さらに、会話や握手も自然に出来るようになれば、完全なVRだ。完全なVRはRと同価だから、私たちは現実の世界の中に「2つ目の現実」を手に入れることになる。そして、2つの目の現実の中で「3つ目の現実」を手に入れたら…と考えたら、これはもう映画「インセプション」の世界。そして、この技術に人類が支配されるようになると映画「マトリックス」の世界になる。

そんなことはない。それはSF映画の話だと思いたいが、脳科学で「私たちは、現実を正しく見ていない。」「見たままを正しく認識していない。」ということが分かっている。勘違いや見間違いを含めて、都合の良いように脳内で「仮想現実」を作り出しているらしい。つまり、五感で外界と繋がっているが、私たちが「現実と感じている世界」は脳内仮想現実(VR in My Brain)で、それは人の数だけ存在することになる。だから、私の感じている現実世界とあなたの感じている現実世界は、全く同じでないのだ。意見の相違が生じても、寛容でなければならない。

さて、そんな自分が仮想現実(VR)を楽しんでいるとなると、もう何が現実なのか訳が分からなくなってしまう。その上、科学で「パラレルワールドが存在する」とか、「11次元まで存在するが、3次元を超える次元は認識できない。」とか言われると、もはやチンプンカンプンだ。中国語で、聞いて分からないことを「チンプトン」、見て分からないことを「カンプトン」と言うのが、チンプンカンプンの語源らしい…そうか。さすが、何でも食べる食大国。食べて分からないことはないということだ。朝起きて、「この世界が現実か?VRか?」と不安になったら、朝食をしっかり味わう。これが解決策だ。近年、朝食抜きが習慣化していることを、反省しなければなるまい。(2018年11月17日@nortan)

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