124、難しい問題

難しい問題だという時、それが文字通りの意味を表していることは少ない。「明日は休んでリフレッシュしたいけど、それは難しい問題だ。」は、そんなことできる訳ないと、初めから答えが出ている。また、「進むべきか、戻るべきか、それは難しい問題だ。」も、どちらを選んでも期待すべき結論が得られそうにないことが初めから分かっている。そして、「神の存在を如何に証明するか。それは難しい問題だ。」は、証明できないけれど信じていると言っているに等しい。このように考えると、私たちは答えの出ている問題をあえて「難しい。」と言う傾向があるようだ。

現在、国会では4月からの外国人労働者受入れ拡大について議論されている。昨年度は、受け入れた技能実習生という名の労働者の内、約7000人が失踪したという。「外国人差別やいじめ」といった職場環境が原因だと言われるが、低賃金と借金を背負わされて「思っていたほど稼げず、話が違う。」と失踪する者も多いようだ。ヨーロッパの移民問題、アメリカのメキシコ国境問題、これらは政治を揺るがすセンシティブな問題である。ゆえに「移民」という言葉を忌避し、訳の分からぬ答弁が、何かを誤魔化そうとしているように感じさせる。私たちの国が受け入れたいのは、都合のよい出稼ぎ労働者なのか、受け入れるべきは、一緒にこの国の未来を創る仲間なのか、百年後の子孫のことも考えて隠し事なく議論すべきだろう。「難しい問題」である。(2018年11月14日@nortan歴史に残る何かが始まっている)

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