ハロウィーンはキリスト教とは関係なく、ケルト人発祥の収穫祭だ。ジャコランタンは、悪霊を払い善霊を呼ぶとも言われる。そもそも、ジャック・オー・ランタン(ジャコランタン)は、死後の世界に行けずにカブのランタンを持って彷徨う男の姿だとされた。2000年の時を越えて伝わった、我が国の「ハロウィン」は、収穫祭でも宗教祭でもない。1990年代に東京ディズニーランドで始まったパレードが、お菓子などの商戦を巻き込んで広まっていった。子どもたちの喜ぶ行事(祭りではなく)で、戦後広まったクリスマスに似ている。私たちには、外国の文化を無宗化して取り込む能力があるようだ。一方、お釈迦様の誕生祭である花まつり(灌仏会)を4月8日に祝って行進したり、秋に神社の神輿を担いで地域を練り歩いたりすることは減ってきているように思う。地域密着型であった「祭り」は外国の祭りを取り込んで「行事」となり、「行事」は商業化され、個人参加型の「パレード」となった。その結果なのだろうか。ニュースで映し出された、都会の交差点で押し倒された軽トラックの上で踊る若者の姿は、「外国のパレードでは商店の略奪もある。日本の祭りは平和的だ。」と昔に聞いたことを悲しく思い出させた。パレードで一儲けしてやろうという商業主義が、都会にランタンをもったジャックを呼び寄せたのかもしれない。まだ伝統が残る地域の祭りを、なんとかして、このジャックから守らなければならない。(2018年10月28日@nortan)