108、木を見て草を見ず

空気中にCO2は0.04%・O2は21%である。その比は500倍。これは、現在ハビタブル(生命存在可能)とされる地球である。先日「CO2濃度が過去80万年で最高。今後45年で500ppm(0.05%)に達するかもしれない。」という重大発表があった。人間の活動が、地球環境を悪化させてきた証拠となるようだが、「過去80万年で」を「地球誕生から」に変えてみると印象は変わる。

46億年前の大気は、CO2とCOでほぼ100%、O2は0%。35億年前に光合成生物シアノバクテリアが誕生し、CO2をO2に分解し始めた。5億年前にO2は20%に達し、その間もCO2は、シアノバクテリアと海洋溶解で減り続けてきた。それを、人間が80万年前の濃度に戻した。人間の活動が、減り続けるCO2を回復させた印象になる。

最新の研究によると「4億年後にCO2濃度は現在の10分の1になり、植物は効率の良い草類のみ生き残る。その影響でO2も減り始め、いずれ生命の存在できない環境になる。」と未来予測されている。6億年前に誕生した動植物も、あと15億年しか地球の住人でいられない。

CO2濃度はどうあるべきか。一概に「増えるはダメ」とも言えない。CO2濃度増加に気づいて喜んでいる植物もいるかもしれない。CO2は植物に不可欠で、O2は動物に不可欠。動植物がバランスを保って共存していかなければならない。植物は、既にCO2減少に順応して効率の良い草類に再進化しているともいえる。さて、動物(人間)はどう進化すべきか。今は技術革新で省エネルギー(ECO)化・自然エネルギー化・脱化石燃料化を押し進めているが、何千万年という長期的には草を模倣て「小型化」するのも道である。しかし、短期的には、この夏の猛暑にも負けない「雑草の逞しさ」を身につけるしかないだろう。そう考えると、すぐに大きくなり定期的に刈りとらなければならない雑草も愛おしい?(2018年8月17日@nortan)

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