1つのものを半分にすることは可能であるが、きっちり3等分に分けることは不可能だ。1 ÷ 2 = 0.5 で、1 ÷ 3 = 0.33… だからだろう。しかし、それが袋で、中にあめ玉が3つ入っていれば、袋を開けて3人でも分けられる。つまり、割り切れないと思えても、よく中を確かめれば割り切れることもある。さて、ある袋の中を覗いてみた。立派な白い袋だった。中には、厳しい試験をパスした合格者と不合格者がいた。袋の注意事項には「子どもが受験。よろしく…」と書いてあった。別の袋を覗いてみた。煉瓦模様の三角形の袋だった。お友だちと昔お友だちだった者がいた。袋の注意事項には「記憶にない。もはや友ではない。」と書いてあった。どちらも、割り切れない袋だった。世の中の袋はこんなもんだと自棄になっていたら、目立たない場所に、ちっぽけだけどしっかりした袋があった。中には、賛成者と反対者、賛成でも反対でもない者がいた。袋の注意事項には「反対意見にも耳を傾ける。」と書いてあった。ようやく割り切れる袋に出会えた。この袋なら割り切れない思いを割り切ってくれるにちがいない。この袋に次の1を投げようと思う。(2018年7月16日@nortan)