90、非論理的推論

「すべての犬はワンとなく(大前提)」「ポチは犬である(小前提)」から『ポチはワンとなく(結論)』を導くのが演繹。これは、大前提が正しければ、結論は必ず正しい。次に「犬ポチはワンとなく(事例1)」「犬チビもワンとなく(事例2)」…から『すべての犬はワンとなく(結論)』を導くのが帰納。しかし、ワンとなかない犬がいるかもしれない。そして、「箱の中の動物がワンとないた(現象)」「オウムは犬を真似るとワンとなく(普遍的事象)」から『箱の中にいるのはオウムである(仮説)』を導くのが仮説形成(アブダクション)である。しかし、箱の中にいるのは、素直に犬かもしれない。論理的(logical)と同義はrational、reasonableである。つまり、正しい・間違いは置いておき「皆が納得できる理由を説明できる」ことこそが、論理的なのだ。さて、最近主流のAI技術ディープラーニング。猫と犬を見分けるまで進化し、論理的思考(logical thinking)を駆使しているかと思っていたが、「なぜそう判断したかの理由を説明できない」ことが最大の欠点であるらしい。それなら、人間がAIに勝つための唯一の方法は、演繹や帰納や仮説形成など難しい論理を駆使するのではなく、「ポチはミケに似ているから猫だろう(類推)」や「見たところ、タマは犬だ(直観)」などの非論理的推論かもしれない。人間の知能を超えてしまったコンピュータが論理的でない!これは、面白い。(2018年6月8日@nortan)

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