81、やおよろず

3月14日、ホーキング博士も宇宙に旅立った。宇宙物理学における天才。輪廻転生とタイムトラベルを信じると、アインシュタイン博士の誕生日に逝ったホーキング博士は、アインシュタインに転生したかもしれないとも想像する。ホーキング博士の理論の幾つかは、数式上証明できても、現在の科学力では検証することができない。博士は未来に検証を委ねた「予言者」とも言える。科学も宗教も人類の存在(人生)と宇宙の姿(この世)を追求する。また、どちらも証明できないものがある。宇宙の姿と死後の世界、どちらも信じるしかない。「科学」は「宗教」でもある。さて、冷たくなった子どもを抱き続けた猿の母親、主人を待ち続けた忠犬はち。科学も宗教ももたない動物たちは、命の無常をどう受けとめるのだろうか。40年前、愛犬トコは家の周囲を回って門のところで横たわった。静かな最期だった。そうか。私たちは、考えて理解しようとするから悩む。私の誕生後、初めての家族旅行だったと聞いて、父の旅立ちを報告するために訪れた日光東照宮。有名な三猿は、見ざる・言わざる・聞かざる。馬を守るための彫刻だそうだが、もう一匹の猿が隠れていたのかもしれない。「考えざる」つまり、「心で感じ、あるが馬(まま)を受け入れよ。」2か月もかかったが、ようやく一つのことに気づけたようだ。信じることは感じることなり。これからは、やおよろずの神々が語りかけてくる言葉を、少しでも多く受けとめられるだろうか。(2018年3月-5月5日@nortan)

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