73、三兎二兎一兎

職場に着く直前、車内は昔の流行曲に包まれた。久しぶりのAMラジオ。25年タイムスリップした感覚。当時、私にとって背伸びした流行曲のひとつ。いくつかのフレーズが、25年の時を越えた矢となって、心の中に飛び込んできた。「いくつのしゃぼん玉を打ち上げるのだろう♪」子どもの頃、大人たちが古い曲を「なつメロ」と呼んで聴いていたことを懐古趣味だと決めつけていた。そうではなかった。曲の方が時間を越えて、大人たちの心に届いていたのだ。名曲はメロディに乗って時を越える!「逃げ場所のない覚悟が夢にかわった♪」若い頃このフレーズは無用だったが、今は必要だ。「三兎を追わねば一兎をも得ず」と意気込んでいたが、やはり諺は的を射ている。「二兎を追う者は…」私に残されたしゃぼん玉は「一兎」か。スマホにダウンロードした長渕剛が、「それを逃すな」と私の覚悟を問いかけてくる。(2017年12月16日@nortan子どもたちが成人となった翌日)

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