ミランコ…とは、虫の名前ではない。ミランコビッチ・サイクル。「地軸の傾きの変化や歳差運動・公転軌道の変化がからみあって日射時間が変化する。氷河期をもたらす数万年単位のマクロ周期」である。そこから見えてくるのは、太陽の周囲をバランスのくずれかけた独楽のように周回する地球。自転速度も1日20時間から24時間へと遅くなってきている。その不安定の調和で生じたマクロ季節の間氷期に、幸運にも進化できた人類。先日の震度5の地震も東北大震災の「余振」と発表された。7年は、地球にとってミクロの時間でしかない。水面の薄氷のような地表で、マグマの気紛れに耐えながら、ミクロの生命を繋いでいる私たちには、マクロな思考が必要だと思う。そのミクロの視点をマクロに転換するのに必要なのは、ミランコビッチのような科学の知識と創造力だ。また、それを維持するには平和が必要だ。
先日来、「宣戦布告とみなす。」「今に分かる。」とミクロの世界では舌戦が火花を散らしている。場合によっては、汚染を除去するのにミランコビッチ・サイクルを超えるマクロな期間を要するかもしれない。ミランコビッチが発見した周期間に、幸運にも成長できた私たちの文明を止めてはならない。我が国の新リーダーには、マクロな視野で心を鬼にして尽力してもらいたい。またもや、鬼の己羅夢となったが、リーダーを「平和の鬼」にするには、私たちこそ鬼とならねばならぬのかもしれない。
さて、地球はどう考えているのかと地面を見ても、蟻すら姿を現わさない。もう、虫の知らせがSNSで出回っているのなら、マクロならぬマクラでミクロな耳の穴を塞ごうか。(2017年10月9日@nortan)