54、たし算

「ねこが3匹、犬が4匹いました。あわせて何匹ですか? 」3 + 4 = 7匹です。これができないと、小学1年の算数は卒業できない。さて、ねこが鳥になったらどうだろう。7羽?7匹?それとも「3羽&4匹」とでも答えるだろうか?また、ねこが人だったらどうだろうか?『人と犬では、計算できません』が正解だろうか。次に「男の子が3人、女の子が4人。あわせて何人ですか?」答えは「7人」にちがいないが、世界では「3人」という人権後進国(地域)がまだ存在している。肌の色を口実に妻の実家へ金品による代償を求め、妻が抗議すると命をも奪う。こんな事件が6万件以上も起こる人口第2位の国インド。動物の権利を人間と同等に論ずるような先進国では「7(単位なし)」となろうとしているのに、世界の人権意識の差はこんなにも大きい。手前味噌だが、日本語は美しい言葉だと思う反面、数え方の単位が複雑だ。サミットにも参加する先進国として人権意識も先進国だと思っているが、上記インドの現状を知り「単位」に「人権意識」を感じられる心の豊かさを持っていたろうかと自問した。40年前、幼稚園の発表劇は「チビクロサンボ」だったし、小学入学の座席や名簿はまだ男女別だった。体操服や帽子の色・形も違っていた。私の中に鈍感な部分があるかもしれない。さて、欧米から始まった植民地政策が先の世界大戦に繋がり、その反省から「基本的人権を尊重する」と宣言した民主国家が誕生した。我が国もその一員となって70年。さまざまな運動の洗練を経て、世界の人権意識も成熟してきているはずである。しかし、英国では政治家を殺害するような白人至上主義も表出した。3 + 4 = 7 という自然科学には、宇宙の不変真理を感じる一方、単位(言葉)の使い方には人の心の未成長を感じる。「車の中に大人が3人、小人が3人。あわせて何人ですか?」に「小人は3人で2人分だから、5人。定員オーバーではありません。」という計算。「行きの車に大人が1人、飼い犬が1匹。帰りはどうですか?」に「犬を山に捨ててきたから、帰りは大人1人。」という答え。「かごの中にねこが3匹、小鳥が3羽。あわせて?」に「ねこが小鳥を食べたから、3匹!」のとんちなど、身の回りには鈍感であってよいことと、敏感でなければならないことが存在している。(2016年6月18日@nortan)

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