51、早いもの勝ち?

アキレスと亀のパラドックスは、ハンディキャップをもらって先にスタートした亀をアキレスは絶対に追いこせないというギリシャ時代からある話。「亀のいた地点にアキレスが追いついた時、亀は必ず前に進んでいること」を無限に繰り返すからだ。確かにその通りだが、これが宇宙の真理なら、競争の世界では常に「早いもの勝ち」になってしまう。さて、亀とアキレスの間を無限に分割することができるのだろうか。距離も時間も…この話が実際には成立しないという事実は、無限分割は不可能で、最小単位が存在することを示していると考える。それを便宜上1(単位)とする。0.001でも1(×10の-3乗・単位)、必ず最小単位は「1」である。1が存在するから、1 + 1 = 2 を基本として、2や3や4が生まれる。それが積み重なって億や兆、無限大となる。だから時間も積み重なり、流れる。もし最小単位が「0」ならば、1すらも生まれず「時間は流れない」ということになる。『宇宙の始まりは0の喪失』だったのかもしれない。さて、最小単位は、1000分の1秒かもしれないし、1億分の1秒かもしれないが、確かに時間には最小単位がある。アキレスと亀は、時間階段の上で競争していたのだ。階段だから、ある単位時間後に必ず同じ段に並ぶ。そして、アキレスが追いこしていく。時間は、階段なのだ。この瞬間と次の瞬間は不連続で、階段を上るごとく一瞬に「ぴょん」と移りかわる。例えるなら、空間のパラパラ漫画だ。読者がその手を止めれば時間は止まるのかもしれない。現在、物理学者も「時間は存在しない。」とか「非連続である。」と考えはじめている。読者である神様から見れば、私たちはロボットのように動いているのだろうか。確かに年齢のせいか、膝や足首の動きがかたくなってきた。痛みがあると亀のような動きになる。時間が止まっている間にアキレス腱に潤滑油でも差してもらえないだろうか。うむ…アキレスと亀の話は、こういうことだったのか!?(2016年6月13日@nortan)

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