人権活動家として知っていたのは、米国ではキング牧師やマルコムX、我が国では西光万吉である。ハリエットが米国2020年の新札の肖像画になるというニュースを知った時、正直だれ?の初感であった。女性として黒人として、そして何よりも黒人奴隷解放のために地下鉄道(秘密結社)の車挙として命の危険も顧みずに行動した活動家として評価されての決定。南部黒人奴隷の子として生を受け、地主の死を契機に北部へ脱出し、以後幾度も南部へ潜入して救出活動を続けた。救出には、黒人にしか分からぬメッセージを歌として用いた。その回数や救出人数には諸説あるが、南政府から懸賞金が懸けられるほどであった。1913年に93歳で臨終の際には、助けられた人々や仲間が集まり「スイング・ロウ・スウィート・チャリオット(戦闘馬車)」かって脱出の暗号とされた歌を歌った。ここまで調べて、我が国の2000円札は、どうなった?…1年前、銀行の両替で2000円札を注文することができたので、「ある所にはあるんだ」と分かった。沖縄を象徴画とし、平和と人権の大切さを未来へと伝える心、それと共にミレニアム(西暦2000年)を記念して政府提案として発行された法定紙幣。米国民全てがハリエットの名を知っていたとは思わないし、熱しやすくも冷めやすかったり、光がある反面に深い闇もあるのが、かの国だと思う。しかし、ハリエットの肖像画採用は草の根運動の成果だったそうだ。その点で、米国の20$紙幣は流通し続けるだろうが、我が国の新2000円札には課題があったのかもしれない。あらためて財布の中を確かめた。やはり2000円札はなかったが、その思いだけは心の中にしまっておきたい。(2016年5月3日@nortan)