「僕は 風に立つライオンでありたい。」は、さだまさし『風に立つライオン』のフレーズ。「暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく。」は中島みゆき『ファイト!』のフレーズ。両曲とも、くじけそうな自分の心への応援歌として聴き、口ずさむ。私にとっての名曲である。百獣の王のたてがみは風にむかうからこそ立派になびくのであると納得して、魚のうろこについて考えた。魚は陸上の脊椎動物の祖先である。海から川にのぼり、両生類・ハ虫類・(恐竜)鳥類、ホ乳類へと進化を遂げた。そこに魚の意思はあったのか?どうして陸をめざしたのか?天敵から身を守るための進化・適者生存たったといえるのかもしれないが、単純に『うろこの向きが原因』と考えた。魚のうろこは後ろ向きについている。ゆえに、魚となった時点で『流れに逆らわなければならない宿命だった』のだ。もし水の流れに逆わなければ、うろこは逆立って剥がれ落ちてボロボロになってしまう。地球の主役は、数々の絶滅と誕生を繰り返してきた動物ではなく、誕生してから天と地の間・陸と海の間を絶えることなく循環してきた『水』なのかもしれない。私たちの身体に入った水も、私たちの身体を循環して、私たちの記憶とともに大地にもどっていくのだろう。時には、紡錘形のうろことなって目から流れ落ちる水もある。人間も時の流れに逆って生きる宿命。顔も前向きについている。「前へ!」辛い出来事を乗り越える力もあるはずだ。「涙の数だけ強くなれるよ。アスファルトに咲く花のように。」は岡本真夜の『TOMORROW』のフレーズ。あなたの目からこぼれ落ちた涙も、名曲とともに水の記憶となって大地を循環し、いつかみんなの記憶となる。一人じゃない。(2016年5月1日@nortan)