IBMの人工知能「ディープ・ブルー」が人間に勝利したのは1996年、チェスの対局である。それから20年、チェスよりも難しいとされる囲碁でGoogle系列人工知能「AlphaGo」が人類に勝利した。そもそも、機械に人間との対局をさせようと考えたのは1840年代、イギリスの数学者チャールズ・バベッジ「コンピュータの父」だそうだ。アルゴリズムを用いて膨大な組み合わせを機械的に処理しようとした。それから150年、アルゴリズムを作成するのは機械(ハード面)からブログラム(ソフト面)へと移った。今やスマートフォンなどで、私たちを楽しませてくれる様々なゲームが開発されている。人工知能は、人類No.1であるチャンピオンに勝つためには、膨大なデータを瞬時に処理し判断しなければならない。人工知能は1秒間に2億手も読むそうである。子どもの頃、将棋を教わった時「プロは20手先まで読む。」と聞いて、自分はプロには到底なれないと感じたものだが、今や『私は、人工知能(AI)には到底なれない。」と訳の分からないことを言わなければならない時代となった。人工知能と対局したプロ棋士も、1勝するごとに2万ドル、3勝して勝つと100万ドルが賞金として渡されることになっていたというから、真剣勝負だったろうし、「私は、ソフト(プログラム)にはなれない。」とハード(真剣)に悔しかったことだろう。AlphaGoへの賞金100万ドルは、国連UNⅠCEF等に寄付されたと言う。人類No.1はチェス・囲碁と連敗したが、将棋は相手の駒を自駒として差したり敵陣で成ったりするためアルゴリズムがより複雑で、人工知能の完全勝利はもう少し先になるだろうという点が、少しばかりの救いである。ところで、AlphaGoは対局を楽しんでいたのだろうか?「Did you enjoy the game of IGO ?」とE-mailで尋ねてみるとする。彼?は、私の次手を2億ほど計算するのだろうが、私の反応は唯1つ「楽しめるはずがない。」である。(2016年5月1日@nortan)