ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した若きホーキングが、恋人や研究仲間との出会いに支えられながら博士論文を作り上げていく半生の映画に出会った。ケンブリッジ大学で発表された論文の計算ミスを指摘することで自身の才能を認めさせようとするホーキングは「他人の批判に才能を使うな。自分のオリジナルに才能を使え。」と厳しくたしなめられる。宣告された余命の2年で博士論文を完成させるという強い意志。「自分の時間は限られている。」そして、ホーキングは「アインシュタインを美しくした。」と物理学者から評価される「宇宙のはじまりに関する博士論文」を完成させる。結果、2人は20世紀を代表する偉人となった。現在、余命宣告にも打ち勝ち60歳を越えた博士は、TEDのプレゼンテーションで人類の未来を「我々は、宇宙に出ていく宿命にある。もし、宇宙に生命が我々しか存在しないのならば、それは何としても成し遂げなければならない。だからこそ、私は有人宇宙探索を『推進する』」と語った。博士は、また「私は幸せであった。ALSであったゆえに、研究に集中することができた。」と語った。その深い溜息には言葉をこえた思いも感じられずにはいられないが、何とポジティブシンキングであろうか。さて、『時間はどうして流れるのか』これは、私には解決できないテーマであるが、博士の生きざまと言葉から答えが見えたような気がする。人は誰でも何かを推進する使命をもっていると考えよう。オリジナルであれ伝統であれ。たとえ明日の予定に追われることに精一杯で、何を推進しているのか気づかなくても。この『推進意識』こそが時間を流しているのだろう。さあ、推進するぞ。ところで、私は何を美しくしているのだろうか?そういえば、テレビを見ている時、外国人男性の言葉を聞いて「あまり言ってくれないね。」と妻からの言葉を思い出した。「今日も美しいよ。」の一言。日本人として今だに照れてしまうが、もっと妻を推進していかなければと反省させられる。(2016年4月30日@nortan)