ケプラー探査機が活躍する1990年代に入って、恒星の惑星公転によるふらつきの測定や恒星を横切る時の光度変化の測定(トランジット法)で、2300以上の惑星発見が相次いだ。ケプラー22bは、恒星に近すぎず遠すぎず、水が液体で存在し人類が生存可能な『ハビタブルゾーン』に位置する。「620光年彼方だが、知的生命がいるかもしれない。人類は孤独ではない。」と胸おどらせてから3年。「わずか14光年、最短距離にウルフ1061c発見。」のニュース。近い!の初感に、注目のはやぶさのイオンエンジン最大速度80km/sで計算してみた。1光年は、約9.5兆km。9.5兆÷80÷60÷60÷24÷365 ≒ 3765。つまり、3765年の14倍かかる彼方である。光で14年といっても、人間の時間では遠すぎた。今の私たちの最先端技術では、100年で約1/40光年しか移動できない。NASAは、20年以内に地球外生命の発見がされるだろうと観測には楽観主義であるが、今地球上で起こっている環境・社会的要因を考えると、発見に終わる不安を思う。TEDトークでのホーキング博士「有人宇宙飛行の実現、宇宙に出ていくことこそが人類の未来である。」の道を歩き続けることができるだろうか。3年後、「1光年先に、地球そっくりの惑星発見」のニュースがとびこんできたとしても、残り1/100光年分の距離しか移動できない私にとっては、地球が『ハビタブル』であり続けることの方が優先課題である。(2015年12月19日@nortan)