22、恐竜の再発明

コンビニエンスストアのレジ横、この頃は唐揚げや焼き鳥串などの調理肉をよく見るようになった。その匂いと空腹に誘われて、時折缶コーヒーと一緒に購入してしまう。食肉鶏ブロイラーは、この50年で1日の成長率が25gから100gの4倍になったそうだ。成長しつづければ100日で4kg、1年で約15kg、20年後には約300kgとならんばかりの成長スピード。「恐竜の再発明」となる勢いだ。そうならないのは、40~50日(一般のニワトリの1/3の期間)で2kgの鳥肉として出荷されるからだ。誕生から1か月半で食肉となるスピードは、飼育というより裁倍である。一方、採卵用の鶏(養鶏)はレイヤーと呼ばれ、成長しても肉薄なので、ヒヨコの段階で雌雄選別され雄は処分されてしまう。生き残った雌も狭いケージの中に2羽1組で閉じ込められ、1年間卵を搾取された上でほとんどが処分されてしまう。私たちの知らぬ所で起こっている鶏の大量絶滅である。子どもの頃、動物ドキュメンタリー番組で親鳥の隙を見て卵を奪いに来る肉食鳥やハ虫類を見ると悪者と思ったが、事実は違うようだ。どうやら、ニワトリに生まれ変わる可能性を排除できないなら、「鳥に生まれ変わって、空を飛んでみたい。」なんて思わぬ方がいい。(2015年12月15日@nortan)

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