トルコの神殿「ギョベクリテペ」は、狩猟採集の生活をしていた1万2000年前のものだ。人類史において、農耕文化より集団定住が先かと、その技術力の高さも含めて研究の的になっている。世界四大文明の発祥よりさらに5000年も前の話である。中心には食料貯蔵庫。団結が食生活へのゆとりに、それが彫刻文化や建築技術を生むゆとりに繋がった。彫刻を施した大石盤は、木の棒をテコにして少しずつ丘上まで運んだ。皆で協力しなければ、成し得ない重量だ。「ヒヨコが先か、卵が先か。」ではないが、やはり団結が初めなのかもしれない。エジプト文明の「コロ」や古代メソポタミア文明の「車輪」の発明があれば、幾分楽だったろうと、物を運ぶ技術の進歩を思う。棒→コロ→車輪→?。船や飛行機は陸上ではないから…リニア?浮いている(飛んでいる)。円いものが続くなあ…。さんざん考えた末に、車輪→コイン(ホテルで荷物を運んでもらいTipを渡す)と円いもので収まった?…結局、タイヤの再発明。我々の文明は「車輪」の先に進むゆとりを失っているのかもしれない。「おれ、わたし」と自分勝手な方向に転がっていく約70憶のタイヤ。「これでは、小石さえ運べない。団結が初めだったはずが…」とテペの住民がつぶやきそうだ。(2015年12月6日@nortan)