泥岩の地層の中にぽっこりと突き出した石の塊、地層が削れると川に転がり落ちる。少し黄色みがかっていて木目が細かいので見つけやすい。中には高い確率でアンモナイトなどの化石が入っているので通称「化石のタイムカプセル」。収集家にとっては周知の事実だ。そうなるのは化石から染み出た炭酸カルシュウムが周囲より堅い球体を作るのが原因だそうだが、球体になるのはアンモナイトが海底に巣を掘る習性を獲得し、絶滅とともに化石となったからだとの主張もある。一方、オウムガイが今も生きた化石として存在しているのは、巣を作らずに海中を漂っていたからだそうだ。アンモナイトにとっては自然淘汰の進化であったはずだが…。私たちが絶滅して化石となるなら、どんな形のノジュールに包まれるのだろうか。見渡せば、住居や車など四角い箱に囲まれて生活しているのが私たちの文明なのだから、箱型のノジュールに閉じこめられるのだろうか。それとも、アンモナイトとは反対に硬いノジュールを捨てて、未来にも生き残り続ける道へと習性を変えることができるのだろうか。(2015年11月19日@nortan)