1、五穀成長

穀の字を教え、五穀と熟語を示した。五穀とは「稲、粟(あわ)、麦、稗(ひえ)」ときて、はて、もうひとつは?と調べると「黍(きび)」と出た。そもそも、中国でも日本でも古来から一定せず「稲・麦・粟・大豆・小豆」『古事記』であったり「稲・麦・粟・稗・豆」『日本書紀』であったりするそうだ。Wikiペディアは便利で、キビは黄実から転じた読みで本当に黄い実をつける。また、古来のキビ団子と江戸時代に作られるようになった岡山(吉備)土産のきび団子とは別物であるらしいと、即座に調べることができた。道理で、吉備団子を土産に包装紙の紙で絵本まで作って育てた息子が従順なお供とならず、気持ちが一定しない立派な反抗期が訪れた訳である。それから4年、親の鬼面も必要なくなった。Wikiペディアのように即座ではなかったが、アルバイト先で年下の中学生の横柄な態度にもめげず、老紳士に「君は、いい笑顔をしているね。」と褒められたと語り、働くことの機微を感じ受け止められるようになった息子の成長を喜ぶ。黍のおかげか、吉備のおかげか。16年前に私が岡山駅で選んだのは「機微団子」だったと、反抗期あっての五穀豊穣を洒落てみる。(2015年11月9日@nortan)

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